第9章 たいせつなこと
マキアが書いた手紙には、
宛先によって内容は別なのだが……
最後の方には、どの手紙にも同じことを書いてあった。
《別件で報告ですが……
今回の外交会では、デビアン帝国の方とパートナーを組むことになりました。
外交会のどこかのタイミングでご紹介出来ればと思います。》
/軍施設の部屋/
「ふーん……なんだぁ…今回こそと思ったのに……まぁ……フフッ……別にいいか……なんら問題はないだろうからね……」
手紙を閉じて火属性の魔法展開させて消し炭にさせた男は、
笑いながら炭となって粉が残っていて手を払う。
/ヒューニンザ帝国城 客室/
頭を下げて片膝をつき報告をする黒い格好の人物
それを聞いていた白いローブを着ている初老の男性は、窓からヒュマの街並みを見ていたが、顔を横に向けて報告をした者の方を見て
「そうか………ご苦労…………下がって良いぞ。」
初老の男性の言葉に、報告をした人物は頭を更に下げて黄色い魔法陣を足元に展開させて消えた。
1人になった初老の男性はまた窓から街を見下ろし
「ふむ……良い機会に来たな…………使い道がありそうだ……」
さまざまな立場の人物が
それぞれの国の為
ここヒューニンザ帝国
首都ヒュマに集まってくる。
自国の凄さを見せつけたい者
他国と仲良くしたい者
他国との取引で利益を得たい者
他国で探しものをしてる者
他国の弱みが欲しい者
他国同士の争いを見たい者
それぞれが外交会という場にて
自分の考えていることを叶えさせるために
動いていこうとしている
/大木ある丘/
大木に寄りかかり夜空の星々を見上げるマキアは、風が心地よく吹いて深呼吸をする。
「マキア!そろそろ行くぞ?」
ギルヴァが移動の亜空間をネックレスから開きながら声を掛ける
「はーい!」
マキアは返事しながら片手で触れて大木を見上げる
「また直ぐ来れたらいいな……」
そう呟き、大木から離れてギルヴァの元へ向かう
さぁ
いよいよ
外交会が始まる。