第1章 はじまり
ギルヴァ:ガイベルドの父こと
ガイベルド公爵は、現皇族のアラバサ皇帝の弟であるため
ギルヴァは、ガエテと従兄弟となる。
それは魔族のデビアン帝国の国民なら知っていることだった
「頼みますよ。兄様」
言いながらウインクするガエテ皇太子に、ギルヴァは苦笑しながら軽く横に顔を振り
「その呼び方は幼き時だったろうよ。ガエテ皇太子殿下」
「いいじゃないですか!他国は久しぶりだし、エマリビアは喜んでくれるかな?」
報せるのが楽しみなのだろうウキウキなのが顔に出てるガエテ皇太子を見ているギルヴァに対して、アラバサ皇帝は大きな溜め息をついた
「ガエテを見習え!ギルヴァ!!正妻を娶れと言うておるだろう!」
その話題にギクッ!と肩を揺らすギルヴァ
「皇帝陛下……その話は何百回と聞きました。父にも言われておりまして……」
「叔父として心配してるのだ!!お前の姉はとっくに嫁いどるのだから、ガイベルド公爵家を続けさせるために正妻を娶り!」
「跡継ぎですよね!叔父殿!……分かっております。」
「分かっとるなら行動せぬか!まったく!イグラバが心配してるのも分かるわ……」
アラバサ皇帝は呆れながら、ギルヴァの父でアラバサ皇帝の弟の名前を出す。
そんな表情のアラバサ皇帝に体格とは似合わずタジタジなギルヴァに、ガエテ皇太子がパン!っと手を叩いて鳴らす
「父上!良き考えがございます。」
その発言に、ギルヴァとアラバサ皇帝が2人してガエテ皇太子の方を見ると
「外交会にて正妻を見つければ良いのです!」