第9章 たいせつなこと
「凄いですね!影を使っての移動なんて、どういう仕組みなのですか??」
キラキラとした目をして前のめりのマキア
ギルヴァとソゼが驚き
マキアは、ハッ!とまた我に返り赤面する
「も……申し訳ございません……魔法塔所属の癖なのか…どうも魔法関連の知らない知識が見えると…つい考えなしに……」
小さく両手を合わせて謝罪をするマキア
そんなマキアの様子に、クククッ…と喉を鳴らして笑うギルヴァ
「さすがはヒューニンザ帝国の魔法塔のエースだな?その好奇心に尊敬するよ。マキア」
「す……すみません……」
「謝ることはないさ!…あー…文句でも言おうと思ったが……俺はヒューニンザ帝国にいるんだから、そりゃ環境違うよな。ククッ……それに知らない魔法に嬉しそうに興味持つ、マキアも可愛いもの見れた…」
そう言いながらクククッとまだ笑うギルヴァ
ソゼは改めて頭を下げて
「我らの力不足をお見せしてしまい謝罪を申し上げます…ギルヴァ様…えっと……」
「あっ……紹介が遅れましたわ…ミへーラフィ侯爵家のマキアです。ヒューニンザ帝国の魔法塔に勤めております。」
「んで……俺の女だ。」
「…っ!?……ギルヴァ様?」
笑っていたギルヴァがマキアの自己紹介に付け足すように言って、それに驚くマキア
「なんだよ?俺の女だろ?…」
「それはそうですが……こんな堂々と……」
「家と所属の事だけじゃなくて、俺の女というのも付けろよ?そうすれば、婚約者候補なんて考えるバカな虫は来ないだろ。」
「それを自己紹介に入れるのは……」
「はぁ……この国(ヒューニンザ帝国)のマナーつぅのが引っかかるか?………分かりやすいよな?ソゼ…」
「はい。……ギルヴァ様の恋人がミへーラフィ侯爵令嬢と分かります。…ソオブラ全体にはもう周知されますので、ご安心くださいませ。」
頭を下げながら言うソゼに、赤面するマキア
「ソオブラ全体??」
「ソオブラは、デビアン帝国の隠密組織のようなものだ。影と闇属性魔法を使い移動でき、依頼主の影に現れるんだよ。ここまでハッキリと姿を見せるのは、ソオブラのリーダーくらいだ。」