第9章 たいせつなこと
「そう……特別なんだ。……婚約者候補の話を聞いて……怒りが俺の中で直ぐに出た感情だ。…俺は…誰にもマキアを渡したくないんだ。」
マキアの頭を撫でていた手を頬に触れ、困ったような笑みを見せるギルヴァ
「…こう言うと……マキアはヒューニンザ帝国の貴族だから、迷惑掛けると分かってるんだが…マキアが婚約者候補が現れても断るという気持ちを聞いて……伝えたくなったんだ。……俺はデビアン帝国の貴族だし、魔族だから色々と面倒もある。……でも、俺は……」
ギルヴァは言葉を1度止めて深呼吸する。
「俺はな……マキアのことが好きなんだ。」
そう告白したギルヴァに、マキアは両手で口を覆う
ギルヴァは頭を軽くかきながら
「すまん……いきなりだよな……ヒューニンザ帝国でのマナーとかあるんだったら、言うのは違うと思うが……どうしても………っ!!?…」
ギルヴァが告白に対して謝りながら話をしていた時……
話を遮ってマキアが勢いよくギルヴァに抱きついた
「おっ……と……マキア?」
マキアを抱きとめながら呼ぶギルヴァ
「……嬉しいです……ギルヴァさま……」
「え?……」
ギルヴァに抱きつきから手を肩に置き、顔を見えるようにするマキア
マキアの腰に手を添えるギルヴァ
見つめ合う2人
マキアはポロポロと涙を流しながら
「嬉しいのです。ギルヴァ様……私も好きです。」
「いい…のか?…」
慎重に聞くギルヴァに頷くマキア
「貴族だから恋愛なんて出来ないと思っていたのです……私の感情なんて聞かずに婚約者を決められる運命と……」
でも……と話を続けるマキア
「…好きな人が出来たら我慢せずに好きと伝えたいと思ってました。……私はギルヴァ様が好きです。」
「……マキア……ありがとう…良かった……」
優しく微笑むギルヴァは涙を流すマキアの目元を撫でる
「俺は…泣かすつもりなかったんだけどな?」
「嬉し泣きですよ?」
涙が止まらないが笑みを見せるマキア
困ったような笑みを見せるギルヴァ