第9章 たいせつなこと
丘には誰もいなく
2人っきりのギルヴァとマキア
「マキア……ほら、こっち来い…」
ギルヴァの声にマキアは振り返ると
大木の下に、2人で座るには大きいライトグレーの敷物が敷かれていてギルヴァが先に座っていた
「あ…ありがとうございます。」
マキアも隣に座る
出掛ける時に、フロランが用意してくれたバスケットを亜空間から出してティーセットと焼き菓子を並べる
ティーカップに紅茶を入れているマキア
「砂糖やミルクは入れられますか?」
「いや…俺はストレートでいい。」
マキアから…どうぞ。と差し出されたソーサーに乗ったティーカップをギルヴァは受け取り
自分のティーカップに少しミルクを入れて混ぜるマキア
ティーポットの保温魔法のお陰で紅茶は温かく、ゆっくりと1口飲むマキアを見守ってから、ギルヴァも1口飲む
「ありがとうな。出掛けるのに付き合ってくれて。」
「こちらこそありがとうございます。ここに連れてきてくださって嬉しいです。」
感謝を伝えたギルヴァに感謝で返すマキア
「ホテルの部屋より、ここのが…話せると思ってな。」
室内よりかは開放的で誰にも邪魔されない場所
そう考えたら、直ぐに浮かんだ場所…
「ありがとうございます。」
ギルヴァの気遣いを感じたマキアはまた感謝を伝える。
ティーカップに入ってる紅茶を見つめて、どう言葉を出したらいいか分からずにいるマキア
ギルヴァは黙ったままのマキアを横目で見て、紅茶をまた1口飲む
「昼間のことで話があるんだろ?」
「あ……えっと……その……そうですけど……」
上手く話せずにいるマキアに
「大丈夫だ………ゆっくりでいい。」
優しく言ったギルヴァに頷くマキア
「すみません……その昼間にあった…婚約者候補の話を養父から聞いて驚いたのと…色々と考えてしまって…」
「…まぁ…そりゃあな…」
「私と、パートナーになってくれたのはギルヴァ様が初めてというのはお分かりかと思います。」
「うん…」