第9章 たいせつなこと
窓を見ると、外はオレンジ色の空になっていて夕方になってるのがわかった。
時計を見ると夕食にはまだ早い…
ふと声が聞こえて顔を向けると、
繋がってるギルヴァの部屋から、ギルヴァともう1人の声が聞こえる。
(レンヒさんじゃない。男性の声……)
誰だろうと思いながら……
ふと姿見で見たワンピースにスリッパだけではと思ったマキアは、
ウォークインクローゼットから水色のオーバーサイズのカーディガンを羽織る
繋がりにはパーテーションはまだあって、魔法陣は無くすぐに退かせる状態にはなっていた。
パーテーションではなく、すぐ横の壁に向かって
=コンコン
ノックをして
「ギルヴァ様……ちょっとよろしいでしょうか?」
そう声を掛けた。
…………
少し前のギルヴァ側
「だから……なんで親父がやってるんだよ?」
そう呆れながら書類の数枚を持ち軽く振るギルヴァ
マキアが部屋に入ったのを見送った後に、ギルヴァも仕事をしていた。
黒いTシャツにグレーのデニムパンツに髪を下ろした状態で、黒い細縁のウェリントン型の眼鏡を掛けていた。
ギルヴァが座るリビングのソファーの前には書類がいくつか置いてあり
傍に立つ専属執事であるエンツォに話をしていた。
「領地のことですから……公爵様がやっておりますね。」
そう答えながら書類を受け取るエンツォ
「俺の仕事だろ?」
「国にいる時にはやってましたが、今は違いますから……軍のお仕事の方もありますでしょう?」
「……まぁ、軍のもあるが………仕事はできるって親父に伝えたんだよな?エンツォ…」
「お伝えしましたよ。でも……」
「でも?」
「ドッサさんが言ってたんですよ。『ご心配なくヒューニンザでのお仕事に集中してください。』って……」
「ドッサのやつ……親父の執事だからって……」
大きくため息つきながら文句を言うギルヴァ
すると……
=コンコン