第8章 いしゅぞく
「私は本を読むのが趣味の1つなの。それを邪魔されるのは1番嫌なのよ。だから私専用の書斎部屋に入るのは私が許可した限られた者だけよ。」
「そうなのですね……なぜ、私たちをこの部屋に?」
「ちょっとお待ちなさい。」
そう言ったレジーヌは執務机の引き出しを開け何かを探していた。
ギルヴァは本棚をジッと見ながら、本のタイトルを見る
「私的な書斎にしては多くの書籍があるんだな。侯爵夫人専用ということは、ミへーラフィ侯爵家には普通の書斎はあるんだろ?」
「えぇ、2階にありますわ。魔塔に所属するまではよく行きました。」
「あるのに私的でも作るとは、趣味というだけある。興味ある物ばかりだな。」
マキアは慣れない場所で緊張はまだある
驚きながらも興味持つギルヴァ
「私の書斎は私の好みの物ばかりですよ。大図書館の方が面白いのはありますよ。」
向かいのソファーに座ったレジーヌの手には、若草色の箱があった。
若草色の箱をテーブルに置いたレジーヌはマキアの方を見て
「マキア、今の貴女にこの箱を渡したかったのです。」
「箱ですか?」
「この箱は、中身を入れるための私の魔力か…マキアの魔力じゃないと、箱の中身が出てこないわ。」
「魔道具の箱なのですか?」
「そうよ。他の人が開けるとただの空箱になるの。ガイベルド大将軍様、試してくださる?」
そう言いながらギルヴァの前に若草色の箱を差し出すレジーヌ
ギルヴァが若草色の箱に触れると魔力を少し吸われるのを感じながら蓋を開けると
何も入ってないただの若草色の箱だけとなる。
「なんにも無い……」
「対象者じゃないからですよ。…マキア、開けなさい。」
ギルヴァからマキアの前へ置かれた蓋が閉まってる若草色の箱
レジーヌの言葉に少し緊張しながら若草色の箱を触れると
魔力が吸われ、先程は無かった緑色の魔法陣が箱の蓋に展開される
魔法陣が表示されたままの箱の蓋をゆっくりと開ける