第8章 いしゅぞく
下を向くマキアを見たレジーヌは立ち上がり
「まだお時間はあるの?マキア」
レジーヌに聞かれて顔を上げたマキアは戸惑いを見せながら
「は、はい。この後に予定は特にございません。」
「なら、いらっしゃい。ガイベルド大将軍も一緒に……」
「…分かりました。」
お茶会の席を立ち、先に歩き出したレジーヌ
そんなレジーヌにマキアとギルヴァは顔を見合わせる
裏庭のガラスハウスを出て
レジーヌの後をついて歩くマキアとギルヴァ
本邸宅へ入り
メイドや従者はレジーヌ達に気付くと手を止めて頭を下げる中
メイド長のクレーメがレジーヌの傍に歩くようになり
本邸宅の3階へ上がる
階段を上がって廊下の真ん中から右側の奥に続く廊下をレジーヌが視線を向けると、最奥の部屋だろうズイキの声が遠くから聞こえる。
レジーヌはその声に気を止めず
左側の廊下を歩き出す。
「クレーメ……書斎に誰も近づけないでちょうだい。近くもダメよ。いいわね?」
「かしこまりました。奥様。」
クレーメは返事をしながら歩みを止めて端に寄り頭を下げる。
マキアとギルヴァはクレーメを軽く見ながらも、
レジーヌの後をついて行く
少し歩き最奥となる部屋の前に止まり扉に触れたレジーヌ
青色の魔法陣が扉に現れると、扉が開く
レジーヌは水属性の魔法を得意とし、扉の魔法施錠を解除した。
「入りなさい。」
レジーヌが扉の傍に立ちながら、
マキアとギルヴァの2人を招き
2人は部屋に入ると
本棚がいくつもあり、応接の為のテーブルやソファーがある
部屋の奥には執務机もあった。
レジーヌも入り、また青色の魔法陣を展開させて施錠をした。
「邪魔は入らないわ。ズイキも来ないでしょう。お座りなさい。」
2人に言いながらレジーヌは執務机の方へ向かう
ソファーの1つに2人は並んで座る
ギルヴァは本の量に驚きながら見渡す
マキアは緊張をしていた
「この部屋には入ってはいけないと言われていました。お義父様も入ることは、ほぼ無いですよね。」
そう言ったマキアの方を軽く見たレジーヌは執務机の椅子に座る