第8章 いしゅぞく
何も言わず何かを考えてることが分かったレジーヌは2人をそれぞれ見るも話を続ける
「魔族には決められた順序があるのでしょう。婚約者候補が現れた時にどう行動するかは……ミへーラフィ侯爵令嬢として、ヒューニンザ帝国魔塔所属の者として……よくよく考えなさい。マキア」
「お義母様……」
「分かりやすく手合わせという形で行動を起こすと言ったガイベルド大将軍は魔族らしさが出ていますわね。」
崩したような言い方をしたレジーヌに、
鼻で笑ったギルヴァは腕を組み
「そう…易々と婚約者候補と名乗る者にマキアを渡したくないんですよ。」
「それは、好きにしたら良いです。」
「侯爵夫人という立場でありながら驚きますな?」
「ミへーラフィ侯爵家の人間ですが、息子達が家を継ぐというのもあり安泰なのです。だから娘であるマキアのことなら中立の考えだとしても問題はあると思いません。」
「なるほど……ミへーラフィ侯爵家に良い繋がりができるならば、どこの家門だろうと、他国で魔族の俺だろうと良いと言うわけですか?」
「繋がりは必要ですが、繋がりということに固執して周りが見えなくなり家が危うくなる。私はそのような愚かな事になるのを避けたいだけですよ。」
「なるほど…侯爵夫人らしい考えですな。中立だとしても手合わせのことを承認いただき感謝いたします。」
「別に感謝されることはしていません。話ではキリがないから分かりやすい事に賛成しただけです。」
「そうだとしても……機会を頂けるなら感謝しますよ。俺は負けないんで……」
「大将軍という御立場ですからね。そう言うに決まってますよね。」
#NAME#の自信のある言葉に、微笑みながら言ったレジーヌ
2人の会話を聞いたマキアは心の中がモヤモヤした感情となり下を向いてしまう。