第8章 いしゅぞく
「マキアの婚約者が見つかりそうなのですか??……それとも、見つかったのですか??」
レジーヌの問いに、ズイキはレジーヌを睨む
「開会パーティーは明後日だ。そこでこのように煌びやかなマキアを見れば、こちらから探そうとせずとも……」
「その言葉からすると、今は婚約者が見つかってないのですね?」
ズイキの言葉に、レジーヌは静かに追求する
「何を言ってる?レジーヌ……わざわざマキアの婚約者は探さなくても向こうから来ると思ってる。」
「婚約者候補が明後日以降に来るかどうかは明後日の開会パーティー後に分かることですわ。今は架空の人物ですわよね?」
「架空になるかはすぐ分かる…」
「えぇ、分かります。ただ、ガイベルド公子…ガイベルド大将軍様がマキアのパートナーというのが現在分かってる事実ですよね。」
「……そうだ。」
「それなら、パートナーであるガイベルド大将軍様がいつ来るか分からぬ婚約者と手合わせをするくらい良いではありませんか。」
「なんだと??」
ズイキが眉を動かす
涼しい顔でお茶をポットからティーカップへ入れるレジーヌ
「スヴァガルの事実は変わらぬこと……手合わせをして2人が婚約者をそれぞれ受け入れるか決めたいならば好きにさせれば良いのです。ガイベルド大将軍様が勝つなら、その程度の男性はマキアに釣り合わないのですよ。」
「レジーヌ…ガイベルド大将軍の味方をするのか?」
「私はどちらの味方も致しません。中立ですわ。」
「なに?ミへーラフィ侯爵夫人なのを分かっていての発言か?」
「ミへーラフィ侯爵夫人だからこそ、客観的な視線が必要なのですよ。どちらにしても嫁ぐのはマキアです。どこの家と繋がるにしても…侯爵夫人としてミへーラフィ侯爵家を内から支えるのは変わらないことですわ。中立でなければ見えないこともあり、ズイキ…貴方を支えられません。」
「……っ……だが手合わせなど野蛮なことを認めるのか?…」
「正々堂々と予めに言ってるならば良いではありませんか。マキアは侯爵令嬢です。それに相応しい家門だけでなく、実力も見れるならばミへーラフィ侯爵家として使えるカードが増えるというものです。」