第8章 いしゅぞく
ズイキは話を続ける
「それもスヴァガルが完全的に終わるのはどんなに短くても4ヶ月という期間ではありませんか?……それならばスヴァガルが終わる前に…決まり等が無い人間の…それもヒューニンザ帝国の婚約者がマキアにできても…おかしくは無いでしょう??」
「お義父様!!」
思わず声が大きくなるマキア
ズイキが軽く溜息をつく
「なんだ??」
「なぜ、ギルヴァ様にそのような話をなさるのですか?私のパートナーですよ?」
「異種族のパートナーなのだから、色々あるのは仕方ないだろう。」
「婚約者なんて私は話を聞いてませんわ!」
「そりゃ……今、この話をしたんだから聞いてないだろう。」
「婚約者を別になんて……」
「スヴァガルが上手くいかないこともある。その時はパートナーは解消する者もいると聞く。マキア、お前のことを考えてのことなんだぞ??」
ズイキの言葉は心配してるかのような言い方だった。
だが、マキアは分かっていた
(この方(義父)は異種族だからとパートナー以上の関係を認めないつもり?…………ギルヴァ様が魔族だからと馬鹿にしてるんだわ。大将軍であり公爵家だとしても……この方は……そんな無礼なこと……)
マキアは心がザワめき、内にある魔力が揺れる
テーブルの下でドレスを持つ手に力が入り立ち上がろうとしたが
ギルヴァが肩をポンと優しく叩く
肩を触れられ、ギルヴァの方を見るマキア
ギルヴァは軽く頷きズイキの方へ視線を向ける
「ミへーラフィ侯爵の話は分かりました。確かに…スヴァガルをするパートナー関係の者たちは、全員がスヴァガルを完全に終わらせるわけではないのは事実。」
「そうだろう?」
ズイキが頷きながら返事をする
「そして、人間には我が魔族のような婚約や婚姻に対しての縛りになる決まり事が無いのも知っています。……だからこそ、マキアは結婚適齢期であり心配する親の気持ちは分かります。」
ギルヴァの言葉に、ウンウンと言いながらお茶を飲むズイキ
マキアは何か言いたそうにギルヴァを見る