第8章 いしゅぞく
あれから時間が経ち
出る時間が近づく
「きゃー!!」
マキアの部屋から喜びの悲鳴が聞こえる
「素敵です!」
「きれーい!!」
ピラアとフロランが向き合ってお互いの手を叩き合いながら歓声を出し
「とてもお似合いですよ。マキア様」
アージアも小さく拍手しながら笑顔で頷く
髪はシニヨンスタイルで紺色のリボンを飾る
ドレスの全体のカラーは紺色
首元はアメリカンスリーブのデザインで胸元も隠れているが、白い金属と小さな白い宝石がいくつもあるネックレスが煌びやかに首元に光る
Aラインの形のドレスで白い大きなリボンが腰の右側を飾る
裾には白いフリルがあり
ドレスと同じ紺色のヒール履く
「そうかしら?」
大きな姿見の前に立ち、マキアは自分の姿を見ながら言葉を零す
義父に会う時にもドレスを着てヘアメイクはするが、その時のスタイルより華やかな装い
今日は朝食を軽くしか口に出来なかった
緊張しているのか胃が受け付けない
義父がお茶会と言ったということは義母も参加すると思いながらマキアは軽く溜息を漏らす
姿見で自分の姿を見ながら
緊張なのか不安なのか少し表情に出ているマキア
ピラアとフロランはマキアの表情を鏡越しに見てお互い顔を見合い、なんて声を掛けようか迷っていると
アージアは、軽くピラアとフロランのそれぞれの肩をポンッと触れた後
マキアの両肩に両手を触れて鏡越しに目を合わせて微笑み
「急遽用意した装いですがお気に召していただけましたか?」
「コッズ伯爵夫人…えぇ、とても気に入りましたわ。用意してくれたエマリビア皇太子妃殿下とビィナさんとギルヴァ様には感謝してますし、準備のお手伝いをしてくれたピラアさんやフロランさん含めての3人にも感謝してます。ありがとうございます。」
そう言いながら振り返り頭を下げるマキア
ピラアとフロランは驚きながらも同じく頭を下げ
「感謝をいただきありがとうございます。では、行きましょ!」
アージアは微笑みながら頭を下げて言いながらマキアの背を優しく触れて押す