第8章 いしゅぞく
アージアが来る前からギルヴァの内にあるマキアの魔力が揺れるのを少し感じていた。
マキアがギルヴァの感情が変わったことを悟られたと思ってはいたが…
アージアの助言を聞いて
自分にイラついてギルヴァは軽く舌打ちをする
「これがスヴァガルをやってるってことか……」
「ごめんよ……ギルヴァ」
謝りながら書類をまとめるディノを軽く見やるギルヴァ
「いや……すまん……つい、感情が抑えられなくなったな……」
自分に呆れながらソファーに座り片手を開いたり握ったりしたギルヴァ
「こうも左右されるとはな……」
「それがスヴァガルです。一度繋がりを持ち始めたら、皆が通る悩みですよ。」
そう言いながらいつの間にか用意していたコーヒーが入ったカップを置くエンツォ
「悩みか………異種族であるマキアには苦労させるな…魔力の調整だけじゃなくて感情でもか……」
「そこを支えることが出来るのはギルヴァ様ですよ。」
「……支えるのだな…」
コーヒーを1口飲むギルヴァにエンツォは話を続ける
「万が一にも魔力が荒れた時には、通常は魔道具が必要となりますが……スヴァガルを行ったパートナー同士は魔力を使って落ち着かせることもできます。……感情についてはお互いが感じ合えるのは、頻度が少ないのでお互いをよく知っていく良い機会と思えばいいのです。」
「そうだな……」
「はい。」
エンツォは優しく微笑みを見せながら頷いた。
パートナーということで、
スヴァガルを受け入れてくれたマキアに感謝と申し訳なさを思いながら
ディノが並べ直した書類を半分取り仕事をし始める…
お茶会までまだ数時間はある……