第8章 いしゅぞく
「なに?訳ありなの?…あの子?」
そう言ったのはディノにエンツォは呆れる顔をした瞬間
=ザン!!
柄部は紅色に刃部分は漆黒の薙刀を魔法で出したギルヴァが
片手で横に振りディノの頬を触れるギリギリに刃を止めていた。
それが一瞬にして起き、緊張感が部屋に走る
書類が薙刀を出して振った風により舞う中
浮かばせていた書類と持っていた書類が全て落ち
両手を上げるディノ
「元気があっていいことだ。ディノ…」
「あっ……ガイベルド大将……」
笑みを浮かべるも目は笑っておらず低く冷たい声のギルヴァ
顔が引き攣り降参の姿勢を保ち敬称でギルヴァを呼ぶディノ
「俺の副官であり中将であるお前もパートナーということを経て、色々ありながらも家庭を持つまでになった。知らないわけないよな?」
更に低い声になるギルヴァは威圧と覇気をディノに向け
「パートナーのことを何か言われて普通でいられる魔族はいるか??なぁ!?」
部下に対してではなく、敵対してる相手へ向ける視線と口調のギルヴァ
「ご……ごめん……すみません……ガイベルド大将……」
反省を見せるディノに、薙刀を持つ手をそのままにするギルヴァ
軽くディノのことを睨んだエンツォは頭を下げて
「私がここで報告をしたので、ローバン中将も気になったのです。私もお詫び申しあげます。」
頭を下げたまま謝罪するエンツォ
反省と後悔を顔に出しながら謝罪するディノ
そんな2人をそれぞれ見たギルヴァは舌打ちをする。
その時
=コンコン
部屋の扉がノックされ
ギルヴァは薙刀を消し
息を止めていたディノは呼吸を整えるために肩で息をする
エンツォが頭を上げて扉の方へ行き開けると
「あら、ラノキラさん、お疲れ様です。」
ノックをしたのは、マキアの支度の中心にいるはずのアージアだった。
「コッズ伯爵夫人?どうされたんですか?」
驚くエンツォに、ちょっと失礼しますねっと微笑みながら部屋に入ってきたアージア
ギルヴァはアージアを見て立ち上がり
「どうかしたか??コッズ伯爵夫人」
アージアはギルヴァに微笑み
書類を持ちながら座ってるディノ
アージアの少し後ろにいるエンツォをそれぞれ見た