第8章 いしゅぞく
亜空間を開く前にギルヴァの左横から黒い煙草を差し出してきた男性魔族から受け取り
煙草を咥えると火属性の魔法により火がつき
吸いながら煙草を用意した男性魔族の方を見て
「んで?……そっちはどうだ?…エンツォ」
声をかけたギルヴァに一礼したエンツォと呼ばれた男性魔族
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エンツォ:ラノキラ
ギルヴァ専属の執事
ガイベルド公爵家の公子としての役目をサポートする
濃い青色の七三分けしているウルフカットの髪に、青色の瞳
シルバーの眼鏡をかけていて黒の執事服
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「領地のギルヴァ様の仕事は、当主様が一時的に引き継いでおります。」
「なんでやるかな……別に仕事はできるって言っといたはずだぞ?」
「お1人だった場合は、そうさせる予定だったようです。」
エンツォの言葉に眉を動かし大きな溜息をつくギルヴァ
「パートナー組んだばかりだぞ。俺は言ってないのに……ガエテ皇太子か……」
「はい。昨夜に当主様から連絡ありました。皇帝陛下からの経由でしょう。」
あと…と言いながらエンツォが黒い大きな封筒を渡してきて封筒を開けて数枚ある書類に目を通す
「申し訳ございません。ミへーラフィ侯爵家のことはそれくらいしか出てこなくて…」
「いや……いい。だいたいは予想できたことだ。他国であり対等関係のヒューニンザ帝国での貴族のことを調べるとなると、こういうものだろう。」
書類には、
ミへーラフィ侯爵家の家族構成
マキアの元々の家であるシンディ辺境男爵家の家族構成
マキアが国に提出した魔力の測定数があった。
(やはり普通の人間より断然多い。俺ら魔族とそんな変わらない。)
魔力の測定数の結果を見てギルヴァ考えながらも封筒と一緒に書類を火属性魔法により消し炭にした。
「それと、ミへーラフィ侯爵家も魔族について含めてギルヴァ様を調べてるみたいです。払いますか?」
「払わなくていい。それくらいするだろ……向こうにとっては大将軍というだけで情報は無いのだからな。」
片手を軽く振りながら、放っておけと言うギルヴァ
エンツォは、かしこまりました。と返事をして頭を下げた。