第8章 いしゅぞく
マキアの部屋の方から女性達の楽しそうな声
繋がりの出入口に魔法陣展開させたパーテーション越しに聞いていたギルヴァは優しく目を向けていた
「そんな目を出来るんだ?」
ふと聞こえた声にパーテーションの方を見ていたのを声がした方に、冷ややかな視線を向ける
「目?……何言ってる…」
ギルヴァの冷ややか視線を向けられた1人の魔族男性
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ディノ:ローバン
ギルヴァの同期であり副官
中将
赤毛に全体的に黒のメッシュが入った短髪
黒い瞳、 軍人ならではの鍛えられた身体
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黒いシャツと黒デニム姿のディノは、リビングルームのソファーの1つに座り足を組みながら仕事の資料を浮かばせて見ていたが、
ギルヴァの言葉に面白そうに笑みを見せパーテーションの方を軽く指さす
「俺にはそんな目なのに、あっちには違う優しい目だからね?」
「ハッ…そんな所を見てるとは暇なのか?」
ギルヴァは紺色のズボンを履いていて
従者の男性魔族の1人が用意した白いシャツを受け取り、
袖を通しながら指をパチン!鳴らすとディノの前にあるテーブルに黒い亜空間が現れて黒い巻物の資料をいくつか落とした
「あっ!!おい!!」
「暇ならそこにも目を通してサインしておけ。」
「これは大将であるギルヴァの仕事だろ?」
「本当に俺だけが必要な書類なんて渡すわけないだろう。側近のサインで充分だ。」
「ちょっと言っただけでコレかよ。」
文句言いながら見ていた資料にサインをしたディノは、落ちたことにより乱雑になってる資料を整える
ギルヴァは軽く鼻で笑いながら、シャツのボタンを留め終わり従者からベルトを受け取りズボンに通す。
「暇そうに見えたから仕事を与えてやったんだ。」
「話のネタに言っただけだっつーの」
「そうなのか?昨日着いた割に元気に見えるし、いいだろ?」
「気候の違いで怠いって言ってるのに、朝早くに走らされて元気なわけないだろ」
大きな溜息と一緒に文句ばかりのディノに
軽く笑うギルヴァ
あとはジャケットを着るだけとなり、別のソファーに座る