第8章 いしゅぞく
「そういう反応だと思ったぞ?マキア」
ふと聞こえた声に、マキアを初め3人の女性魔族も声がした方を見ると
黒いシャツにグレーのズボンで髪はセットされてないラフな格好で呆れたように笑みを見せるギルヴァ
繋がりの扉のパーテーションを横に寄せながら部屋に入ってきた。
「ガイベルド公令息様。」
アージアが呼びながら頭を下げて
ピラアとフロランも頭を下げて部屋の端に寄る
ギルヴァは、おぅ。と答えながらも、
ソファーに座るマキアの前で片膝をついて目線を合わせて、マキアの頬を片手で優しく触れる
「お……おはようございます。ギルヴァ様」
「おはよ。マキア。……体調は?」
「大丈夫です。魔力も安定してますし寝れました。」
「魔力水とツァンさんのお茶のお陰だな。顔色がいい…」
そう言われて寝起きだと思ったマキアは両手で顔を隠し耳まで真っ赤に赤面する。
「なぜ隠す?」
「ね……寝起きです……」
「知ってるよ。俺もそんな大差ない。」
「ギルヴァ様は普通じゃないですか……」
「さっきまで走ってきて汗だくだったぞ?」
「走ったのですか?……」
「あぁ、走って軽くシャワー浴びただけだ。」
そう言いながらクククッと笑うギルヴァ
恥ずかしそうに目元だけ隠してる両手から見せるマキア
そんな2人の姿を見たアージアは微笑み
ピラア、フロランは頬を赤らめながら嬉しそうにする
「絶対にマキアは先に言ったら遠慮すると思ったから、昨日着いたと連絡があった俺の執事に伝えて準備させたんだ。」
「そのような待遇は……義両親にお会いするだけですので……」
「俺は、誰に会おうと招待を受けたならマキアを綺麗に着飾らせて一緒に行きたい。」
ほら、隠すなっと言いながらマキアの両手首を掴んだギルヴァは顔を見えるようにする
「素のマキアも良いけど、綺麗な姿で俺の隣にいてくれ?な?」
そう言われて優しく見つめるギルヴァに
頬を赤らめたままマキアはゆっくり何回か頷き
「ありがとうございます。ギルヴァ様」