第7章 てがみ
「挨拶は必要と思っていたんだ。大事なパートナーの義父であるからな。」
「よろしいのですか?」
「断る理由は無いだろう。向こうが呼んでくれたんだ。しっかりやるさ。心配するな。」
そう優しくマキアの頬を撫でたギルヴァ
優しい表情のギルヴァに微笑むマキアは手紙を受け取り魔力を込めると白紙の便箋が出て
《お義父様
ご連絡が遅れてすみません。
明日、ガイベルド卿と一緒にお伺いいたします。》
そう書き込むと緑色の魔法陣が展開されて手紙は白いツバメとなり消えた。
「返事を送りましたが……明日のために支度は必要ですね。」
「そこは大丈夫だろう。俺に任せて心配するな」
少し憂鬱そうに溜息をつくマキアに、微笑みながら話すギルヴァ
自信あるギルヴァに疑問に感じながらも、
今夜は早く休むよう言われてギルヴァは繋がりの扉から部屋に戻って行った。
マキアは入浴を済ませて寝支度を整えてベッドルームに行く
魔力は昨夜とは違って安定していた。
白いシルクの寝間着姿でベッドルームの扉前にて、繋がりの開いている扉の方を見る
魔力が不安定じゃないことをギルヴァに心配かけたくなく咄嗟に抱きしめてしまった事を思い出し
(変だったかな……なんかギルヴァ様の言うデビアン帝国のパートナーのマナーに慣れてきてる??……いいのかな…外交会のパートナーというだけなのに…)
そう思いながらベッドルームの扉を開けておき
そのままキングサイズのベッドへ入り横になるマキア
ギルヴァも入浴を済ませて濡れた髪のまま首にタオルを掛けて黒いバスローブ姿でタオルで髪を拭きながら
ギルヴァの部屋のリビングルームにて、右手に浮かぶ赤色の四角いガラス製の通信機を使っていた
「あぁ……それで頼む。」
通信機から聞こえる声にギルヴァは返事をしながら、ふと繋がりの扉の方を見る
昨夜に続いて今日もマキアの血を飲んだことにより、マキアの魔力が他者の魔力とは違って
パートナーだからこそ特別に感じ取れる。
眠っているのか落ち着いてるマキアの魔力にホッとしながら、通信機の声にまた答える。