第1章 はじまり
ギルヴァは軽く咳払いをして
「お見苦しいものを見せて申し訳ございません。あれが光の聖魔法で防具も闇魔法と思っての装備でしたので我が軍は死者は出さずに撤退となりました。」
そう言いながら、頭を下げるギルヴァ
アラバサ皇帝は…フム…と言いながら背もたれに寄りかかり
「反帝国軍は新たな力を得たと?ギルヴァ」
「はい。それも光の聖魔法の精度を見て、教会が関わっているかと…」
「聖クルセミア教会か……」
「はい。教会関連で信仰者や規模が一番デカイとされる聖クルセミア教会しか考えられません。」
そう話すギルヴァとアラバサ皇帝
アラバサ皇帝は眉間に指を当てて舌打ちをする
「どうせ、魔法武具関連の提供があったが、証拠は消しているだろうな。」
「申し訳ございません。殲滅は愚か……失態は私の責任です。」
「いや……ここまで聖クルセミア教会が突っ込んでくるとは思わぬ。それも我が魔国にな……。ギルヴァ、報告は分かった。」
アラバサ皇帝の言葉に一礼して座るギルヴァ
大きなため息がつくアラバサ皇帝
そこに宰相のツワンが口を開く
「皇帝陛下…今回の招待は受けぬ方が良いのではありませぬか?」
ツワンの言葉に首を傾げるレンヒが「招待??」と聞き
黒い扇子を開いて口元に持っていったビィナが口を開く
「どこかの国が擦り寄ってきたのですか??皇帝陛下」
「いや……外交会の招待だ。ヒューニンザ帝国からな。」
それに答えたのはアラバサ皇帝だった。
その言葉に幹部と皇太子が驚く
「あのヒューニンザ帝国が何故です?父上」
ガエテ皇太子の言葉に、アラバサ皇帝は軽くため息ついて
「交流だ。パーティー、会議、そして軍事演習もある」