第1章 はじまり
「会議だけでないとは思いましたが……パーティーや軍事演習まで」
考え込むガエテ皇太子
「やはり、不参加にしましょう!皇帝陛下。反帝国軍をそのままにしておくのもよくありません。」
そう言うツワンに、考える様子のアラバサ皇帝だったが
「いや……私は参加のが良いかと思います。」
そう手を挙げながら発言したのはギルヴァだった
ツワンは、眉間にシワを寄せながら
「まともに対応できず逃げ帰ってきたくせに何を言うのですか!ガイベルド卿」
「だからです!」
ツワンの言葉に被せるかのように発言するギルヴァは立ち上がり
「我が国には、光属性は得意でも聖魔法まで手を出すやつは居ないに等しい中で、国に残ったまま悶々と対策を考えるよりは、聖クルセミア教会とも手を組んでるヒューニンザ帝国へ行き、そこの技術を知れば対策の切り札となりましょう!」
「だが、そう易々と知れる機会なんて……」
「軍事演習が良きかと…」
「軍事演習にて、わざわざ見せてもらうのか??」
有り得ないって言うツワンに対して
「良いかも……」
賛成の言葉を出したのは、レンヒだった
「シクロスキー卿!?」
驚くツワンを無視したレンヒは立ち上がり、皇帝陛下の方を向いて
「自分は悔しいです!遠征に負けた理由が技術が主だったこと。闇属性魔法のことを毛嫌いしてる光属性の聖魔法だというのが、それを見せてくれるならデータも取れます!自分は行きたいです!!皇帝陛下!」
そう言いながら元気よく手を挙げるレンヒは子供のよう
「あら…魔法関連ならば、わたくしも行きますわ。」
立ち上がりながら扇子を優雅に扇ぐビィナ
「ビィナ?」
驚くレンヒにクスクスと笑うビィナ
「何を驚くことがございましょうか??私はデビアン帝国の魔法陣・魔法書物庁のトップなのよ?光属性魔法は忌々しいですが、嫌いだからと言って、反帝国軍にやられたままは癪ですわ。」
優雅に扇ぐが手が怒りで少し力が入り、ビィナの中の魔力が乱れるのを感じるくらいビィナは怒っていた。