第7章 てがみ
時間はあると言われても
どの便箋が良いのか分からなくなってきているマキア
(どれも素敵だから良いのだけど、お父様とお母様の好みとか覚えてないことが多くて…今の好みも違うだろうし……それに姉や弟のことも考えると………)
そう悩んでて眉間に皺を寄せていくマキアを見たギルヴァは、ふとホテルの従業員の1人を呼んでだ
「うーん……」
「………おい、マキア?……マキア!」
「え?……んん!!」
呼ばれたマキアが顔を向けた瞬間に
口に何か押し込まれて驚きながらも押し込んだ相手であるギルヴァを見ると
手には焼き菓子が持ってあり笑みを見せながら
「怖い顔なってるぞ?真剣なのもいいが、甘いものでも食べて少しリラックスしろよ……な?」
マキアは戸惑うも口の中に甘い味が広がりを感じながら
よく噛んでから飲み込みと同時にギルヴァにお茶を渡されて受け取り一口飲む
「ビックリしましたわ。ギルヴァ様」
「色々考えながら選んでるだろ?」
「そりゃ、家族への手紙ですから」
「好みなんて考えるなよ?」
「何故ですか?」
「大事なのは気持ちを伝えることだ。」
そう言いながらギルヴァは焼き菓子を一口で食べて胸の辺りを軽く叩く
「気持ちを素直にそのまま書く。便箋はその気持ちを乗せるための物だ。好みなんて後で分かってくるさ。」
そう言ったギルヴァは1枚のミント色の便箋を手に取る
「俺も久しぶりに書くかな……母親に……」
「久しぶりなのですか?」
「まぁ……そうだな……会うことはあるが手紙なんて久しぶり過ぎて年数も覚えてない。」
「やり取りをしていたのにですか?」
「階級が低い時には訓練がほとんどだったからなぁ……遠征出るようになって減ってきて……書かなくなったな…」
手紙を書いた記憶を辿りながらギルヴァは自らの腕を組む