第7章 てがみ
「……るっせぇな……よくそんな大きな声出るよな?」
「出るに決まってるでしょ!!昼食を部屋で食べようとマキアに声掛けて、今持ってきたところなのよ!!それなのにアンタは!!そんな格好で……」
ビィナの怒りの言葉をまともに聞かずに、ギルヴァはチラッと後ろを見るとワゴンに料理を乗せて押してきたレンヒと目が合い、ヤバイよー!って口パクしていて鼻で笑う
「……!?……聞いてるの!?ギルヴァ!!」
「聞いてないし聞く必要も無い。」
嘘をつかず素直に言ったギルヴァはクルッと向き変えてマキアを抱き抱えたまま
ダイニングテーブルの所へ行き、椅子を引いてゆっくりとマキアを座らせた
「アンタねぇ……だらしないにも程があるわよ!そんな格好でパートナーを抱き上げたりする??」
ビィナとレンヒに見られたことに赤面しながら小さくなるマキア
ギルヴァは何事も無かったかのようにマキアの頭を撫でながら呆れるビィナにハッと笑う
「俺は軍を率いる大将軍だぞ?普通の坊ちゃんみたく大人しく紳士的に出来ると思うか?」
「これだから脳筋バカなのよ!パートナーであるマキアのことを考えて行動なさいよ!」
「今この空間は俺らのプライベートルームだ。どうこうしてようがパートナー同士なんだから別にいいだろうが?」
「な……んて屁理屈なこと……」
「まぁまぁ!!喧嘩しないの!2人とも」
まだ怒りが収まらないビィナと挑発するギルヴァを止めたレンヒ
「だって!レンヒ!!」
「ビィナの気持ちは分かるけど、言い合ってもギルヴァがこういう性格なのは今更でしょ?怒ったら可愛い顔が台無しだよ?」
頬を膨らませながら不満そうにレンヒの言葉を聞いたビィナはダイニングテーブルの席につく
「ギルヴァも寝起きだからってそんな格好だと良くないの分かるでしょ?マキアちゃんのこと心配なのは分かるけど着替えてきなさい。」
ギルヴァに言いながら手を差し出すレンヒに、悪かったよ。と呟きビィナが投げた扇子を閉じて返して自分の部屋に向かった