第7章 てがみ
優しくマキアに腕枕しながら向かい合うようにして話すギルヴァ
「言ったろ?俺は後ろ盾無しに軍に入ったって……それは人間でいうとマキアが侯爵家に行ったのと同じくらいの時だったんだ。」
「え?」
「最初はクソ親父から言われた掟についてムカついて訓練してたさ。でも……軍にいても家族から手紙が来る他の仲間を見てな…………手紙を読んで喜んだりビックリしたりコロコロ変わる仲間に羨ましかったんだ。」
「そうなのですね。」
「俺は若いながら汚い字で、両親に送ったんだそれぞれ個人宛の手紙をな。今の現状の俺について知ってもらおうと…」
「返事は??」
「親父は……」
ククッと笑うギルヴァに首を傾げるマキア
「親父は短かったなー……《汚い字だな。それで公爵になれるのか?》ってな。」
「まぁ!それだけ?」
「あぁ……親父らしいよ。でも、その反対で母上からは大量の手紙が届いた。封筒がはち切れるんじゃないかというくらいの量だ。」
「そんなに?何が書かれてたんです?」
「元気なのか?ちゃんと食べてるか?……どんな訓練しているのか?怪我はしてないか?……友達はできたのか?…質問が大量にあって質問をした理由もあった…しまいには家の庭園に咲いた花のことまで書いてあったよ。」
「心配でしたのね?」
「あとから親父の執事に聞いたんだが、母上は俺が軍に後ろ盾無しに行かせることに最後まで反対していたんだ。」
「反対を??」
「驚いたさ。公爵家に嫁いでる身である母上は親父に愛されてるのもあって魔族では珍しい男を支える考えの女性だったのにさ……」
笑みを見せるギルヴァ
「俺が軍に行くなら実家に帰るくらいの勢いだったらしいぞ?執事曰く、あんな怒った公爵夫人を見た事ないって。」
「よく説得出来ましたね??」
マキアの言葉に、だよな?って言うギルヴァ