第7章 てがみ
「恥ずかしいなんてことはない。可愛らしく礼儀正しい女の子だったじゃないか。ミルアもそっくりでビックリしたぞ。」
「ありがとうございます。ミルアのぬいぐるみは母の手作りなのです……ミへーラフィ侯爵家に行く前はいつも持ち歩いてたのですが、義父に取られるんじゃないかと思って亜空間に入れといていて。魔塔に住めるようになってから執務室の引き出しに入れていつも私の心の支えになってました。」
いい大人なのに変ですよね?と苦笑するマキアにギルヴァはまた横に振るう
「亜空間に入れておけば良かったのに…」
「いつも持ってしまうと……本当の家族のこと思い出してしまって会いたいなって思っちゃいますから……」
「やっぱり会えてないんか?」
「……えぇ……手紙も出せません。義父に禁止されてましたし…悟られて父や母だけじゃなくて姉や弟にまで影響があったらと思ったら……たぶん手紙は来ていたんだと思うのですが……それも義父がどうしたのか…」
「手紙……送ってみないか?」
「え?」
「我が国(デビアン帝国)の特殊な魔法を纏った手紙なら侯爵も気付かないだろう。受け取った側の方も返信するなら安心して使える。」
「で……でも……」
戸惑うマキアに頭を撫でるギルヴァ
「嫌か?」
「もう……10年ですよ?娘からいきなり手紙なんて迷惑じゃ……」
「迷惑?……両親や姉弟はそう思うのか?」
「いえ……そんなんじゃ……」
「大丈夫だ。不安なら俺が責任をもって魔法を使い届けさせる。書く時も傍にいる。」
「ギルヴァ様、どうしてそこまで…」
「少女がたくさん手紙を書いて頑張るって言ってたんだ。それが出来ないと知ってからどれだけ辛かったか………」
涙を浮かべるマキアに、
あ〜、また泣かせるつもり無かったのに……と呟くギルヴァは…横いいか?と言いながらマキアの隣に寝転がる