第7章 てがみ
「そ、それは!」
「僕らが勝手に!」
そう言葉が出てしまうビィナとレンヒの方を見たマキアは優しく頷くも直ぐに真剣な顔をして
「【スヴァガル】という馴染ませの習慣を当たり前のように知っている魔族の皆様は何ら問題無いこととは思います。それは今ここに皇太子殿下の直属の部下の方がいらっしゃらない事で分かります。幹部である皆様のことを信じているからと…皇太子妃殿下の事もありますので……」
「なら!大丈夫だろ?」
まだ不満そうなギルヴァが言った言葉に、少し溜息をつき
「私は皆様の滞在サポートをする家でありますが、それ以前にミへーラフィ侯爵家の人間であることです。もし、今回のことが我が家の当主である義父や兄様達に知られたらどうなりましょう??」
そう言った言葉に3人の魔族が驚きを見せる
「まさか……」
「監視はございません。そこは皆様のプライベート空間となってるホテルということもありますので…総支配人が義父に報告するのも部屋を利用することになったくらい。それも明日か明後日くらいでしょう……もう朝方なので今日か明日ですね。」
不安そうになるビィナに答えるように話しながらカーテンの隙間から朝日の光をチラッと見るマキア
「あの方達(ミへーラフィ家の者)はこちらが有利となった時に貪欲に容赦なく相手を追い込みます。その良い例と言ってはなんですが……」
寂しそうな笑みを見せるマキア
「私を手に入れた義父は、魔塔が私の力を欲しがった時に多額の寄付金を求めたそうですよ。」
「なっ!?」
「ひどいわ……」
そう驚くレンヒとビィナ
眉間にシワを寄せるギルヴァ
「まぁ、本人である私はそれを知ったのは魔塔に入ってからだいぶ経ってからで…この子達(召喚獣)の一体が得た義父の言葉による情報ですけどね。」
そう言った瞬間に座っていた椅子の肘置きがダン!!と大きな音で叩くギルヴァに困ったように笑みを見せるマキア