第7章 てがみ
『……こわい……』
『召喚って低位じゃないの?』
『普通じゃないよ……』
『…本当に人間なの?……』
(怖がらないで…仲良くしたいだけなの……)
お茶会の場にて披露した召喚魔法だが…
足元にいる初めて展開させた召喚獣であるミルアがマキアの顔を見上げて鳴いた
ミルアを抱き上げて撫でながら泣きそうになるマキアは必死に涙を零さないようにした。
場面が変わり
『おかあ…さま……』
『大丈夫…大丈夫よ。マキアは何にも悪いことしてないの。召喚魔法をそこまで扱えるのはとても凄いんだからね。泣くことないのよ。』
母の自室にて、母に抱きつきながら静かに涙を零すマキアに優しく抱きしめながら頭を撫でて優しい声色で話す母
それを客観的な視点で見ている今のマキア
(またこの夢……)
場面が変わり
『召喚の為にミへーラフィ侯爵家へ養子ですか??』
首を傾げるマキアに父は頷く。
隣にいた母は悲しそうな笑みが見える。
『そうだ。そこまでの魔力を持つマキアにミへーラフィ侯爵様が力になりたい。世の中の役に立つように学べる場を作ってくださるんだ。』
『……行きます。』
『そんなすぐに答えを出さなくていいのよ?マキア』
母が傍に来て手を握ってマキアの視線に合わせるようにしゃがむ。
(手紙……書きたかったな……)
そこからまた場面が変わり
たくさんの侯爵家での出来事が目の前に広がり…
涙を浮べるマキア
(…もうヤダ……早くこの夢から覚めて……お願い……)
頭を抱えて座り込むマキア
ふと、目の前の場面が消えると
幼き姿のマキアがミルアのぬいぐるみを抱えていて現れて
その幼きマキアの前には、この空間にいるはずの無いギルヴァがいて視線を合わせてくれてる。
『俺は魔族なんだ。魔族のちょっと偉い人』
それから会話をする幼きマキアとギルヴァ
それを見ていたマキアはいつの間にか涙が止まっていた。
(……夢なのよね……これ……)
そう思った瞬間に黒い空間から白い光が差し込む……