第5章 ぱーとなー
「あっ……兄様達の奥様です。左がハミア義姉様で長男ザハヤ兄様の妻で…右はランコ義姉様で次男ジリュウ兄様の妻なのです。」
「あぁ……あの兄貴の……」
紹介を聞いて納得したギルヴァはマキアを腕から解放して丁寧にお辞儀をして
「話に割り込み失礼致しました。俺はデビアン帝国大将軍のギルヴァ:ガイベルドと申します。マキアさんにパートナーを申し込んだのは俺です。」
自己紹介するギルヴァにランコが何か言おうとしたが、扇子を閉じたハミアが口を開く
「あら……本当にいたのね?てっきり義妹の嘘かと思ってしまいましたわ。」
「採寸してたんでね。まさか義姉さん方がいると思わなかったですよ。なので……嘘ではないんですわ。」
嘘の部分を強調しながら話すギルヴァにハミアはクスクスと笑う
「そうね?まさか相手がいないからって…粗野な殿方のパートナーになるなんて、やっぱり魔力しか取り柄がない義妹らしいわ」
「は、ハミア義姉様!」
ハミアに言い返そうとするマキアを手で制したギルヴァ
「いやぁ…ヒューニンザ帝国のマナーは難しくて分からないんですよ。だから言い回しとかはしない。」
そう言うとまたマキアの肩を抱き引き寄せたギルヴァ
「魔力とかそういうのは関係ない。俺はマキアに惹かれたからパートナーを申し込んだんだ。義姉だろうがパートナーについて言われる筋合いはない。」
「……っ……ギルヴァ…さま…」
ギルヴァ言葉に頬を赤らめるマキア
ランコは睨みながら
「な、なんて野蛮な男なの?デビアン帝国は皆がこうなの?」
「ハッ!野蛮ねぇ?義妹の言葉が信じられないからって手をあげようとする義姉こそ野蛮にはならないのか??それともヒステリック持ちなのか??」
「なっ!!??」
ランコの言葉に返しながら、クククッと笑うギルヴァに顔を真っ赤にして言葉に詰まるランコ