第5章 ぱーとなー
前はパートナーになってくれる人もいなくてパートナーが必要な場が嫌で仕方なかった。
でも……
(今回はそうじゃない)
そう思いながら真っ直ぐにハミアとランコを見つめるマキアは口を開く
「パートナーはヒューニンザ帝国の方ではございません。」
「なにそれ?他国だと言うの?」
ランコの言葉に頷くマキア
「デビアン帝国の方です。お相手の方からお誘い頂けました。」
そう言いながらふと店の方に向けるマキアの視線には嬉しそうな顔があった
その様子にハミアの眉間にもシワが寄る
「嘘ね!どんなに1人が嫌だからって他国のそれも魔族の国であるデビアン帝国を出すなんて呆れるわ」
ハッと馬鹿にするランコに、ムッとするマキア
「嘘ではございません。本当にデビアン帝国の方にお誘い頂いたのです。」
「なら、ここに呼びなさいよ!中にいるんでしょ?」
そう言うランコに眉が動くマキア
今は採寸をしているギルヴァを呼び出すのは…と考えて
「今は採寸をしております。店先に呼ぶのはできません」
「やっぱり嘘なんじゃない!そんな都合のいいことありませんわ」
「だから嘘ではありません。本当に採寸をしています。それにお義父様にも今しがた手紙でパートナーのことを報告をしました。それを確認頂ければ嘘でないと分かるはずです。」
そう話すマキアにクスクスと笑うハミアが口を開く
「お義父様のことを出せば私達が引くと思ったの?マキア」
「ハミア義姉様、そういう訳では…」
「なら、今すぐにパートナーになってくれるという風変わり殿方を呼びなさい。マキア」
「ですから…今は……」
そう言われてもと思いながら店の中の方に目を向けるも、ギルヴァに迷惑掛けてしまうと思い言葉が詰まるマキア