第5章 ぱーとなー
マキアを呼んだのはランコの方で、オレンジ色の外出用のドレスに身を包みクスクスとマキアを見ながら笑う
ハミアは、深緑の外出用ドレスに身を包み同じ色の扇子で口元を隠している。
「こんな所で何をしているわけ?仕事はサボっていいの?」
ランコがクスクス笑いながらそう聞き、マキアは礼で下げていた頭を上げる
「仕事はある程度片付いたのでデビアン帝国の方を案内をしております。」
「ここに?」
クスクスと笑ったままドレスショップを指さすランコ
「こんなダサいドレスショップなんかじゃなくて皇族御用達とかに行けばいいんじゃないの??…あっ!行けないかしら?パートナーも居ない独りぼっちの召喚士はね?」
「お止めください。ランコ義姉様。デバツスヤドレスショップは素敵なお店です。それに……」
言い返すマキアにランコは眉を動かし睨む
「それに……何かしら?マキア」
ランコが何か言おうとしたのを遮ったのは、扇子を口に覆ったままのハミア
「私は今回の外交会には1人で各会場へ行くわけではありません。」
そうハッキリ言ったマキアに、ハァ!?とランコが言いながら
ハミアはクスッと軽く笑い
「嘘をつくと自分の首を絞めることになりますわよ?マキア」
「嘘ではございません。」
「このヒューニンザ帝国で貴女をパートナーに選ぶ男がいる訳無いじゃない!」
嘘よ!とハッキリ言うマキアにランコは噛み付くように言う
確かにヒューニンザ帝国でマキアの召喚魔法を知ってる者はパートナーには選ばない。
選ぶくらいなら1人参加と言われるくらいだからだ。