第5章 ぱーとなー
「ハァ……」
白いツバメを見たマキアはため息をつきながら立ち上がるも、勝手に居なくなったら心配させると思って
カーテンの方に近寄り
「ギルヴァ様?」
「ん?なんだ?」
「ちょっと、家から連絡が来たので返すため店先に出ますわ。直ぐに戻りますから。」
「あぁ…わかった。1人で平気か?」
「店先ですし、家からの連絡を返すだけなので時間はかかりませんわ。」
「そうか?何かあれば髪飾りのこと思い出せよ」
「思い出す?」
「その髪飾りに魔力を込めればいいんだ。簡単だろ?」
「えぇ……分かりましたわ。」
そう言ってからコツコツとマキアの足音が聞こえるのを感じるギルヴァ
「すみません。ガイベルド様、もう少しで終わりますから」
申し訳なさそうにするツァンに首を横に振るギルヴァ
「謝らなくていい。採寸は大事だからな。」
「ご理解ありがとうございます。」
そうお礼を言うツァンは男性従業員と一緒に作業の速度を上げる
カーテンがあるがマキアが歩いてた音の方を見るギルヴァ
(何か…胸騒ぎがする……ビィナとレンヒはまだ来ないのか?)
ドレスショップを出て、白いツバメが止まってる店の出窓の方に近寄るマキアは、手を差し出すとその手に乗ったツバメは手紙に変わった
手紙にはミへーラフィ侯爵家の家紋の封蝋が見えて
(やはり…お養父様ね。)
出窓に寄りかかりながら手紙を開くと
《マキア!
昼前にデビアン帝国の馬車が邸宅に来たと報告があったぞ?
お前は何をしているんだ?
きちんと相手しろと言ってるだろ!》
その手紙を読み終わり、また大きな溜息を吐くマキア