第5章 ぱーとなー
「それに?」
ツァンが言いづらそうにしてるのを、気にするなと聞くギルヴァ
頷き小声のツァンが
「『私みたいな魔力が高い女なんて可愛げ無くて組みたくないだろうし、お相手の恥になってしまうわ。そうはなりたくないの。』……と、マキア様は申されました。」
そう聞いたギルヴァは眉間にシワを寄せて
「知らなかった。彼女はそんなこと何も……」
「言う訳ありませんわ。マキア様は優しいお方ですもの。」
「そうなのか……ミへーラフィ侯爵がな……」
「他国であるデビアン帝国の方なら恥となることはありませんでしょうし、マキア様を守ってくださいますでしょう??」
そう聞いたツァンに頷くギルヴァ
「当たり前だ。それに俺はこの国(ヒューニンザ帝国)の民だったとしても彼女と組むさ。魔力なんて己で鍛えて上げるものだ。どうこう言うヤツらなんか潰す。」
そう宣言するギルヴァに男性従業員は人間だからか怯えるも、エルフであるツァンはクスクス笑いながら
「素敵ですわ。そのお考えに賛成いたしますわ。ガイベルド様」
(そして、もし叶うなら……マキア様を幸せにして下さるお相手であることを願いますわ。)
そう考えたツァンは男性従業員に声をかけて採寸を再開する
そんな話をしているなんて知らないマキアは布のサンプルカタログのページを捲り見ては布に触れてページを進める。
「うーん……どれがいいのかしら」
(ペアなんて初めてだから分からないわ。ギルヴァ様の好みとか合う色もありますでしょうし……)
そう考えながら悩み難しい顔をするマキアがカタログから目を離してソファーに寄りかかりお茶を飲んでると……
ふと気配を感じて、店の窓を見ると
見覚えのある白いツバメがいた。