第1章 はじまり
「そうなのかい!良かったよー!召集会に間に合って」
そう言いながら、ギルヴァの肩を軽くポンポンっと叩いてホッとした様子のレンヒ
「皇帝の希望日時に遠征を済ませてきただけだ。間に合うに決まってるだろ」
「分からないだろ?今回の遠征も難しかったのだろ?」
そう言いながら、ギルヴァの頭1つ分下の身長のレンヒがギルヴァを軽く見上げながら隣を歩き続ける
ギルヴァは、ハァとため息つきながら
「難しいというか……厄介だったな。」
「何が?」
「…………多分だが、教会関係だ。」
引き下がらず聞いてくるレンヒに呆れながら答えるギルヴァ
「は??教会??……待って待って!ギルヴァは遠征内容は、反帝国の輩じゃないの?」
更に聞き出そうとするレンヒに片手を挙げて制止して立ち止まる
ギルヴァとレンヒは城で大会議間である部屋の前に着いた
扉の左右には近衛兵の魔族が頭を下げている
「あとは、報告時に聞け…入るぞ。」
えぇー!って言いながら文句垂れてるレンヒを無視しながら、近衛兵に目配せすると
近衛兵は礼の体勢から扉に魔力を込めて、扉がギギィと音を立てて開いていく
「大将軍!ギルヴァ:ガイベルド様!ご入室されます!!」
「魔法武具局長!レンヒ:シクロスキー様!ご入室されます!!」
名前を呼ばれたギルヴァとレンヒは、扉が開ききると足を踏み入れた
中には真っ黒な長いテーブルを囲むように黒革の1人用のソファタイプの椅子が10脚並べられていた
部屋の最奥には真っ赤な部屋で1番大きなソファタイプの椅子が置かれていて、そこには誰も座っておらず
それぞれの黒革の1人用のソファタイプの椅子にはもう6人は座っていた。