• テキストサイズ

【ダンダダン/邪視】甘くて暖かい

第3章 新生活


「とっても綺麗…これはイヤリングって言って、耳に着けるアクセサリーなの。邪視も耳に着けているけど、それはピアスって言って耳に穴をあけないと着けられなくて、私はあけてないから…イヤリングのほうが嬉しいわね。」

しばらくそれを眺めていたけど、値段も思ったより手頃だったので買うことにした。

「決めた、今日はこれにするわ。素敵なのを見つけてくれてありがとう。」

私がお礼を言うと、邪視は少し得意げな顔をした。

お会計を済ませて外に出ると、私は早速そのイヤリングを着けてみる。
髪をアップにしてきてよかった。

「こんな感じ。どう?似合う?」

邪視は満足そうに頷いた。

「悪くない」

シンプルな言葉だけど彼なりの褒め言葉だと思って嬉しくなる。

「ありがとう。大切にするわ。」



次の行き先を考える前に腕時計を見るとちょうどお昼時だった。

「お腹空いたでしょう。何食べたい?」

尋ねると邪視は少し考えて答えた。

「お主が勧めるものは全部うまい。お主に合わせる」

「あらそう?じゃあ…ハンバーガーにしてみましょうか。手で食べられるしそろそろ塩気が欲しいところでしょう。」

駅近くにあるチェーンのハンバーガーショップに入って注文列に並ぶ。
メニューを見てどれにするか考えていたけどよくわからないようなので、とりあえず満足感が出そうなボリュームのあるハンバーガー2つと、シェアできるようにポテトとナゲットも注文することにした。ドリンクはコーラとオレンジジュース。コーラは私のだけど、邪視にも後でちょっと炭酸を体験してもらおうかしら。どんな反応をするか考えると笑みが溢れた。

二人分の商品が出来上がり、席に持っていって食べ始める。邪視はハンバーガーの包装紙に包まれたそれを手に取り匂いを嗅ぎ、迷いなくガブリと噛みついた。

「おいしい?」

もぐもぐ口を動かしながら力強く頷く邪視。目が輝いている。
純粋な反応が可愛くて笑ってしまった。

「私もいただきます」

大きな口を開けてハンバーガーに齧り付くと、美味しいけど結構ソースが垂れてきてしまう。
邪視の方を見るとやっぱりこれでもかというほど口の周りや手にソースがついてしまっていた。

私は惨事に苦笑し、邪視がハンバーガーを食べ終えたのを見計らって、一旦拭いてあげることにした。
/ 39ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp