第2章 再会の日
翌朝
【モモ視点】
いつもは一番に起きるお姉ちゃんが起きてこない。
お姉ちゃんは眠りが浅い方らしく、アラームが鳴る前に起きてしまうんだと言ってたのに珍しいこともあるもんだ。
邪視も起きてこないけど、まあそれは想定内。あの感じだと寝たいだけ寝るだろうね。
「おーいモモ、あいつら起こしてきてやれ。朝飯できちまうぞ」
「あーい」
先にお姉ちゃんの部屋に向かう。
邪視は寝起き悪そう、下手したら暴れそうだからお姉ちゃんに起こしてもらう作戦だ。
「お姉ちゃん、朝だよー。大丈夫?…ってぎゃあぁぁ!!!何で一緒に寝てんの!!?」
ドアを開けた瞬間目を疑った。
部屋の真ん中に布団を敷いて、2人で身を寄せ合って…というか抱き合って寝てる。
「おい邪視てめぇどこに顔押し付けてんだコラァ!!離れろ!!」
「どうした?」
私の大声に気付いたおばあちゃんが助太刀に来てくれた。
「おばあちゃん!!見てこれ!」
「あー…」
2人を起こそうと近寄ったおばあちゃん。
でも2人を見てしゃがみこんだままじっとしてる。
「おばあちゃん?」
「…写真でも撮っといてやるか」
「なんで!?」
「こいつらの顔見てみろモモ」
「え?」
近寄って見てみる。
「…すっごい幸せそうな顔してんじゃん…」
邪視を抱いて眠るお姉ちゃんも、お姉ちゃんの胸に顔を寄せて眠る邪視も、かつてないほど安らかな顔で寝息を立てていた。起こすのが忍びないくらい。
でも起こさないとさすがにジジもお姉ちゃんも遅刻してしまう。おばあちゃんがこっそり写真に収めた後、仕方ないのでお姉ちゃんから揺さぶる。
「お姉ちゃん、朝だよ。起きて」
「んん…あれ………あ、ももちゃんおはよ…おばあちゃんも…どうしたのふたりで…」
すっごい眠そう。喋り方もふにゃふにゃしてる。
「もう朝ごはんできてるよ。」
「え!?今何時なの!?」
「まだ間に合うけどそろそろ起きないと遅刻するよ」
「大変!」
やっと目が覚めた様子のお姉ちゃんが慌てて起き…れない。
邪視が巻き付いてる。
「邪視、邪視、起きて。もう朝だったわ!」
「…まだ眠い…」
「邪視!」
邪視は起き上がろうとするお姉ちゃんをまた布団に引きずり込んだ。