第2章 再会の日
そうして、いつもベッドに入る時間がやってきてしまった。
ちょっと名残惜しいけど、また火曜日と土曜日になれば会える。
モモちゃんも星子おばあちゃんももう自室に行っちゃったし。
「邪視、そろそろ寝ましょう。ジジくんのお部屋使っていいからね。」
「嫌じゃ、まだお主といたい…」
…可愛い。胸がときめいてしまう。
「じゃあ、私の部屋にお客さん用のお布団敷いてあげるから。あなたが寝るまでお話してましょう。」
「寝なければずっと一緒におれるのか?」
「それは勘弁して…私明日大学だから…」
ぐずる邪視の手を引いて、お客さん用のお布団を抱えて私の部屋へ。
私のベッドの隣にお布団を敷いてあげる。
「はい、今日はそこで寝てね。私はこっちで寝てるから、何か困ったら起こして。」
しかし、邪視は布団に座ったままじっとしている。
「メイ」
「ん?どうしたの?もしかして本当にずっと起きているつもり?」
「我もそっちがいい」
「え…1人用だから2人で入るには狭いわよ。多分寝てる間に落っこちちゃうわ。」
「じゃあ、お主もこっちで寝ろ」
「そっちも1人用なの。」
「…」
不服そうに立ち上がったかと思うと、グイグイ私をお布団に引っ張る邪視。
力が強い。服が破れちゃう。
仕方ないので布団の方に連れて行かれ、先に布団の端に潜る。
「ほら、寝ないと。入っていらっしゃい。」
掛け布団を広げてあげると、ようやく潜り込んできてくれた。
と思ったのも束の間、今度は腕の中に引きずり込まれる。
「こうして寝れば1人分じゃ」
そ、そうなの…?
狭くて寝返りが難しいとかいうレベルじゃなく拘束されているんだけど…
それにさすがにこの体勢は緊張して寝られない。中身が幼児とはいえ、服越しに感じる筋肉感は刺激が強すぎる。
「邪視、これだと私寝られないわ」
「なぜじゃ、すっぽり収まっておるのに」
「収まってるからよ…」
「我はお主に触れとらんと寝れん。…またおらんようになったらと思うてしまうんじゃ」
何それ、ずるい。可愛い。
「じゃあ、手を繋いで寝るのはどう?」
それくらいなら私も緊張しないと思う。多分。
「…大丈夫じゃ」
そして拘束が緩まると、私の片手を大きな手がそっと包みこんだ。
…わりと緊張するかも。さっきより遥かにマシだけど…