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【ダンダダン/邪視】甘くて暖かい

第2章 再会の日


入浴を済ませた私は簡単に服に着替え、邪視を呼ぶ。

「邪視、タオル2枚持ってこっちにいらっしゃい。」

待ってましたとばかりにタオルを抱えて駆けてくる邪視。可愛い。

ブリーフのまま入らせるわけにいかないので、1枚は腰に巻かせて、お風呂椅子に座らせる。

洗面器にぬるま湯を溜め、それを邪視の足に少しかけてみると、入れ替わることなく邪視のままそこにいた。

「冷たくない?」

「大丈夫じゃ」

温度は大丈夫そうなので、もう一枚のタオルに浸し、優しく身体を拭いていくことにする。

シャワーでかけてもいいんだけど、うっかりお湯になるタイミングがあったら結構な事故だから。最悪私が捕まるかもしれないし。

「じゃあ、顔からね。目を瞑って。」

顔の横に手を添えて支え、強めに絞ったタオルで丁寧に拭いていく。
改めて見ると、かなり整った顔立ちだ。
ジジくんも綺麗な顔だけど、邪視が出ている時はまた違ったタイプの美形に見える。

「はい、できたわ。次は身体ね。」

首から始めて上から順に拭いていく。

私の手つきを不思議そうに見守る邪視。

「なんだか擽ったいのお」

「ちょっと我慢しててね。」

無駄な脂肪のない筋肉質な体つき。均整がとれていて、肌の白さも相まってまるで彫刻のようにも見える。
じっとこちらを見つめる目もアメジストのような深い輝きを放って美しい。

「…邪視、あなた綺麗ね。」

邪視はまた穏やかな笑みを見せる。

「…前のお主もそう言うてくれた。我の目はすみれのようじゃと。」

「ふふ、感性も変わってないのね私。今の私にはアメジスト…宝石のように見えるけど。…邪視?」

邪視が突然、しゃがんで身体を拭いていた私の顔を持ち上げてじっと見てきた。

「…お主のほうがよっぽど綺麗じゃ。前のお主も、今のお主も。」

「え…あ、ありがとう。」

予期せぬ褒め言葉に顔が熱くなる。気恥ずかしさに目を逸らしてしまった。



そして私は顔の熱が収まらぬまま身体も拭き終えた。タオルの中以外は。

「邪視、私今からあっち向いてるから、腰のタオル外してそこだけ自分で拭ける?」

「わかった」

「できたら呼んでね。」

私は後ろを向いてしゃがみ、無心になって邪視が身体を拭き終えるのを待った。
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