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【ダンダダン/邪視】甘くて暖かい

第2章 再会の日


それから数日間、爆発音がしてはそのたびにお家が壊れていった。なんでもたった一滴の醤油でも邪視に戻ってしまうらしい。
お家はあっという間に半壊状態になって、段ボールで風を凌ぐほどになった。

毎度みんなは無事だろうかとハラハラしながら聞いていたけれど、しばらくすると収まるし、ヒーリングをしたり暖かいものを用意したりするだけで他にできることがない。
私だけ安全地帯にいるのがもどかしい。

一度囃子に来てもらったけど、ジジくんが邪視が可哀想だと言ってお祓いもキャンセルになった。ジジくん自身で抑えたり、タカクラくんが抑えたりする方向になったみたい。




ある日の夕方。

大学の帰りに買い出しをして、帰りが予定より遅くなってしまった。
戻ってきたら神社の方が騒がしい。

身を隠しながら恐る恐る近寄ったところ、ターボ状態になったタカクラくんが吹き飛んできた。

「あっ…大丈夫?」

「メイちゃん、今こっち来たらやべぇぜ。しばらく隠れてな。」

「わかった、気をつけてね。」

邪魔になるといけないので、裏道から静かに本殿に滑り込む。

そっと戸の隙間から外を窺うと、タカクラくんと邪視が戦っていた。この前のお祓いでは顔しか見えなかったけど、全身で見るとかなり体格がいい。ジジくんのフィジカルが天才だという意味がわかった。…なぜかブリーフ一丁だけど。

私は私にできることをしないと、と奮い立ち、ヒーリングの用意をして待つことにした。



しばらく時間がたち、戦いが終わったのか、2人は対峙して何やら話をしている。戸の隙間から、戸の前に立って守ってくれていた星子おばあちゃんにヒソヒソ話しかける。

「終わりましたか?もう開けて大丈夫ですか?」

「まだだメイ、もうちょっと待ってな。」

おばあちゃんが答えた瞬間、邪視がものすごい勢いでこちらを向いたのが見えた。バレた…?

「おい貴様、今なんと言ったんじゃ」

地の底から響くような低い声。ゆっくり近付いてくる。恐怖でジリジリと戸から後ずさる。

しかし星子おばあちゃんは全く怖がる様子はない。

「てめぇには関係ねぇ。」

「やめろ邪視!まだ話は終わってないだろ!」

慌てた様子でタカクラくんやモモちゃんたちも邪視を追ってくる。
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