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HAPPYBIRTHDAY !!

第2章 ver.一ノ瀬トキヤ 8/6





「実は、次の企画のコンセプトが中々纏まらなくて」
「き、企画?」
「はい。それで、ファンの声を聞いてみなさーい、と早乙女さんからお達しが。私はどんなイメージでしょうか?」
「え!?う、うーん、そ、そうだな...イメージ...イメージ....」
「どんなものでも構いません。私は、どんな存在でしょうか」



な、なんて難しい質問だ。友達と話すのとは訳が違う。
正直に言えば、スタリの中では、常識人だけど苦労人だなぁとか、私服のセンスはどうなんだろう、とか、たまにトンチキなところがあって面白いとか、アイドルである事に対してストイックな所が尊敬するだとか、みんなといる時に振り回されている姿は素の部分のそれも良くて....だとか。

本人に直接言う機会なんて、二度と無いかもしれない。

うーん、ど、どんな存在...そ、存在...と声に出していたら、ふと、目の前のマイクに気がついた。




「歌が...」
「....はい」
「歌が、好き、です」




きょとん、とした顔をされた。
今、凄く貴重なものを見た気がする。携帯がないのが悔やまれる。





「...歌が、好き?」
「は、はい」
「私の歌が、好き、では無く?」
「い、いや、そうじゃなくて...ん?いやいや!そりゃ大好きです!アナタのキラキラな曲もあっつい歌も、カッコ良いのも可愛いのも出来ちゃうとこも、トンチキなのも好きなんですけど!!じゃなくて!」
「は、はぁ」




「トキ...い、一ノ瀬さん自体が『歌が、好き』な、イメージ、です』





そう伝えたら、ちょっと目を見開いた彼。
考え込んでから、少し照れた様子で




「ありがとうございます」





極上スマイル。真剣な顔も、困った顔だって好きだけど、推しの笑顔って格別。たった一言伝えただけだけど、彼には充分だったみたいで、それだけで嬉しくなった。





「まだまだプロ失格ですね」
「そ、そんなことは...!(んなアホな!!君ほどストイックな人見た事ないんですが!)」

「ふふふ、目は口程にものを言う、とは本当ですね。努力は見せるべきではないと思いますが、評価して頂いけているのは、嬉しいものです」
「そ、それは、ほんとにもう...。ア、アイドルとして、まだまだ高みを目指してるあなたの姿と歌声でファンになったものなので....」


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