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HAPPYBIRTHDAY !!

第1章 ver.寿嶺二 7/13






そう言って、眩しいものを見るかのように、笑ってくれた。




私からしたら、貴方の方が眩しいデス。そんな気持ちを抱えて思わず拝むような形になったら、アハハ!と大きい口を開けて笑われた。
推しが、私のすることで、笑顔になってくれる。
それってこんなにも、嬉しいんだな。




「それで、僕のどこが好きなの?」
「ぜ、全部!!!!!!」




面白いねぇ君って。とケタケタ笑う彼は、そのままにっこりと、私の回答の続きを待っている。ど、どうしよう。ここで友達といる時なら、そりゃ全部語り尽くしても尽くせない程発言しますけど、流石に本人を目の前にして、一から百まではちょっとナンセンスすぎる。



良い言葉が思い浮かばない。でもこんな機会は二度と来ない。



「は、初めは、面白いお兄さんポジションの人だなって思っていたけど、ファンに対する姿勢だとか、周りを笑顔にしたいって言う想いとかが、凄く、凄くかっこよくて、でも、特別な人にチラッと見せる大事にしている部分とかが垣間見れたり、それでもいつも笑顔をくれる寿嶺二...さんの、ファンに、なりました...」




しりすぼみしてしまった。流石に面と向かって、好きですと伝えるメンタルは生憎と持ち合わせていない。


でも、それ以上に、彼が、しっかり目を見てくれるものだから、やっぱり涙が零れてしまう。あらら、と、今度はその指で、涙を掬ってくれた。
大好きで大好きで、いつまでも応援したい彼が、画面の越しじゃない、目の前に居てくれる。そんな事があったら、きっと発狂してしまうと思っていたけれど、違うんだ。涙が止まらなくなるんだって、初めて知った。




「...僕は、みんなの笑っている顔が見たいから、君も笑って欲しいな」



そう言って被っていた帽子を、私に被せてくれた。
どうしよう、見た事ある、夢のシチュエーションだ。





「よし、じゃあ笑顔になれるおまじない!僕の名前は...」




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