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HAPPYBIRTHDAY !!

第1章 ver.寿嶺二 7/13




目を覚ませば、あ、起きた?と、推しのドアップ。ぎゃひーー!!と声を上げて後ずさりすれば、その反応は傷つくなぁと、苦笑いの嶺二。




「ゆ、ゆ、ゆ、夢では無かった.....!!」
「あはは~、ほっぺちぎれちゃうよ」



思いっきり頬を摘んで確認する私に、可愛い顔が台無しだよ、と手を添えてくれた。ヤバい、マジでヤバい。推しの体温を感じる。手が触れている。


夢にまでみた光景に、涙が出てきた。


それを見た彼は、わ!どうしよう、ごめんね。と困った顔でティッシュを取ってくれた。ズビバゼン。と返して、鼻をかむ、余りにも恥ずかしい顔を見られてしまったが、大好きな推しが目の前にいて、泣かないなんて無理だ。ズビズビしてる私に、彼は困った様子だったが、そういえば、と話しかけてくれた。




「僕たちのこと、すっごく応援してくれてるんだね。ありがとう」
「ひぇ、そそそそそそんなただのオタクに恐れ多い...」
「グッズとかも、たくさん買ってくれて、何より、僕らの歌を聴いてくれて、本当に嬉しい」



そういえば、祭壇を作ってお祝いをする際、カルナイと嶺二のソロ曲をオールシャッフルして流していたのを思い出した。
今も嶺二のソロ曲が流れている。



「ファンの子の部屋に行くことなんて無いから、なんか新鮮!僕達こんな顔してるんだねぇ」
「そ、それはもう、ほんとにカルナイの皆さんは国宝級と言うか、みんなバラバラにみえるけど、4人で集まった時の、ファンへの表情は一緒と言うか、歌の一体感やそれでも失われない個性と言うか、もう本当に、最高で...」



オタク特有の早口にも、しっかり耳を傾けて頷いてくれている、目の前の彼。どうしよう、絶対にキモイやつだろうに、彼が反応してくれるのが嬉しくて、ずっと喋り続けてしまう。


初めてカルナイの曲を聞いた時の衝撃だとか、カミュの真似しようとして、ガムシロ入れすぎて飲めなくなったジュースの話とか、藍ちゃんの声の綺麗さに感動するだとか、蘭丸の力強さに励まされるだとか、たくさん、たくさん、私は喋った。





だって、彼が、とても嬉しそうにしてくれているから。





「本当に、僕らのことをいっぱい知ってくれてるんだね。ありがとう」


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