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メンヘラヤンデレ彼氏からの溺愛調教

第7章 地雷





「…………あれ、暁?」
「嘘ほんとだ、べっぴんさん」
「あんたの旦那様もだいぶべっぴんさんだけどね」
「いやまぁ、そうですけど♡」



どっちが惚気てんのよ。





「…………どうしたの右手?」



店からひとり出てきた暁へと近付けば、明らかに折れてる右手見つけて。
やば、デジャヴ。


「珍しいな、莉央」
「友達と飲んでた」
「友達?…………ああ、真中んとこの」
「右手どーしたの?折れてるよね?」
「…………仕事でミスった」


そっちもなかなか珍しいよ。



「先輩そろそろあたし帰るね。従兄弟さん、病院連れてくんでしょ」
「あー、うんごめん」
「今日楽しかった。また遊びましょねー」
「おー。またね」
バイバイ、なんて見送っていれば。
ちゅっかりしっかり。
旦那さまのお迎え来てんじゃん。
「元気な嫁さんもらったもんだよな」
「同じ歳だっけ?」
「…………まぁな」


なんでそんな微妙に嫌そうなんだ。



「暁、病院行く?」
「雅も行ってないのに俺だけ行けるかよ」
「柳瀬翌日あたし連行したもん」
「…………」
「柳瀬の比じゃないくらい腫れてるよ?いいじゃん病院くらい。…………タクシー」
「おまえ勝手に」
「うるさいな、かわいい妹の言うことくらい聞きなさい」
「おまえ酔ってんな」
「少しね」
「だいたいおまえ、雅は?いいのかよ」
「柳瀬仕事終わった?スマホ家忘れちゃったんだよ。柳瀬着信やばそうかなやっぱ」
「…………」
「いや、何そのやーな笑い」

やーっぱきてるよね着信。
あとで説明して納得してくれるかなぁ。

「別に。…………タクシー乗んじゃねぇの」
「暁、やっぱスマホ貸して」
「は?」
「柳瀬にやっぱ一報いれとこうかな」
「…………俺のスマホからとか、やめた方がいいと思うわ、今は」
「なんでよ」


先に暁をタクシーに乗せて。
隣に乗り込もうとすれば。





「——————りおっ」




交差点の向こう。
人混みの中、柳瀬が立ってた。
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