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メンヘラヤンデレ彼氏からの溺愛調教

第7章 地雷





夜の繁華街。
さっきので久々アドレナリン放出した。
さすがにこの状態で莉央ちゃんに会うのは危険だよな。


『はじめから』
『みんな周知してる』



「…………」



どっから。
仕組まれてたんだろう。
はじめから?
女もグル?
考えてみればはじめから話が出来すぎてた、気もする。
『助けてやろーか』
身体の機能が停止しかけた、なんとか意識を保つ限界の時。
持ちかけられたのはたぶんそーゆー事。


『ごめんなさい』
『ごめんなさい』




って。
泣きながら抱きしめる手の暖かさを覚えてる。
懐かしい心地良さを覚えてる。
欲しいと思った、激情も覚えてる。
あの時。
莉央ちゃんの存在を知らないままだったら。
あのまま死を受け入れてた。
しなかったのは。
暁の提案に乗ったのは。



莉央ちゃんが、いたから。




「…………」



なんで莉央ちゃん、あの場にいたんだっけ。
事務所なんかに莉央ちゃんが足運んでんのなんて、この5年間1度も見た事ない。
なのになんであの時いたの。
偶然。
たまたま。
ああ駄目だ。
考えが纏まらない。
違う。
そんなはずない。





そんなはずない。




頭ではわかってんのに。
消えない。
一度芽生えた疑惑は、なかなか払拭出来ない。





『おまえなんか、愛される資格ないくせに』
『僕を見捨てたおまえが、本気で愛されると思ってんの?』



うるさい。
黙れ黙れ黙れ。



吐き気がする。



違うのに。
わかってるのに。
『声』が、邪魔をする。
正しい判断を、鈍らせる。








「————————っ」






なんで。




スマホを見れば。
確かにふたつとも位置情報は自宅になってる。
じゃなんで。
莉央ちゃんがいるの。
夜の繁華街。
なんで。
暁とタクシー、乗るの。
どこ行くの。
なんで暁に肩を貸してんの。
なんで。
なんで。
勝手に他のやつに触らせてんの。






頭の中で何かが、キレた。







ハジメカラ、ゼンブシクマレテタノカ。




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