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メンヘラヤンデレ彼氏からの溺愛調教

第7章 地雷




気持ちいい。
気持ちいい。
身体、溶ける。


「莉央ちゃん身体きつい?横になろ」
「ん」


肌けたシャツを床へとバサって投げて。
柳瀬が上へと、跨った。
やばい。
きれい。
見惚れる。



「莉央ちゃん、したいって顔してる。したかった?」
「ん」


柳瀬の親指が、顎へと触れて口が開く。
口の中に押し込まれた親指を、ちゅうちゅう吸って、柳瀬を見れば。
顔を真っ赤にして。
こっちを見てる。
あ。
あたしこの顔。
好きかも。



あたしに。
欲情してる顔。




「…………もう右手、くっついた?」


「くっつくて笑」

ガジ、て。
親指に歯を立てる。


「…………くっついたよ」



柳瀬の右手が、顔に触れて。
柳瀬の顔が、近付いた。
唇が触れるまで、あと数センチ。
そのまま引き寄せられるように、目を閉じた。





———————‥‥‥‥。


    ————————‥‥‥。




《side 雅》





自分の堕落しまくったクソみたいな人生が、いきなり変われるなんて思ってない。
幸せになれるなんて思ってない。
だけどこの瞬間。
莉央ちゃんと繋がれるこの時間だけは幸せ感じだって誰も文句はないって、思いたかったのに。
思わせて欲しかったのに。



『なんであんたが生きてんの』

『早く死ねばいいのに』




『雅くん、おいで』




『私とくる?面倒見てあげる』






『雅』




「っ」




うるさい。
うるさい。
出てくんな。



「…………いつまで、付き纏ってくんだよ…っ」



隣で気持ちよさそうに寝てる莉央ちゃんへと伸ばした手。
は。
莉央ちゃんへと触れることなく、内臓から迫り上がってくる嗚咽に阻まれて。
両手は口を覆うための道具になった。
駄目だ。
思い出すな。
莉央ちゃんだけ。
隣で寝てるのは、莉央ちゃんなんだから。


思い出したら駄目だ。

「———————っ、ぅ」



気持ち悪い。
駄目だこれ。



吐く。




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