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メンヘラヤンデレ彼氏からの溺愛調教

第5章 堕ちる





《side 雅》




イライラする。
無性に腹が立つ。
なんで?
莉央ちゃんは俺のものなのに。
俺以外に愛想振り撒くのはおかしいだろ。
俺の知らないところで、ましてや閉鎖空間で2人きりになんてなっていいわけない。
俺の目の届くところにいて。
俺だけ見て。



俺だけの。



ものになって。





「…………柳瀬」


息が苦しい。
呼吸の仕方がわからない。
今までどうやって息してた?


「柳瀬あたしを見て」



頭痛い。
なんで?
莉央ちゃんは俺のものなのになんで奪おうとするの。
そんなのおかしい。


「誰も奪ってない、柳瀬聞いて」



ああだめだ。
呼吸出来ない。
苦しいのに。
こんなに苦しいのにまだ死ねないんだ。
俺、また死ねなかった。


『早く死ねばいいのに』



また。





「—————みやびっ!!」




「…………」




あ。




「りお、ちゃん…………」


「柳瀬、良かった。目、合った」




「ぇ、俺…………?」




あ。
息、してる。
ちゃんと息してる。



「大丈夫。大丈夫だからゆっくり息吸って、吐いて。苦しくないよ。ね?」
「…………うん」
「ね、柳瀬。腕の取って。逃げないから。柳瀬から逃げない、約束するから。ね、お願い」
「約束?」
「うん」
「…………ごめん、俺。痛かったよね。こんなキツく縛って」
「痛くないよ。…………でも、取ってくれてありがとう」
「莉央ちゃん」



キツく結んだネクタイを解けば。
ふわって。
莉央ちゃんの体温が顔へとふれた。



「良かった」



俺の頭を抱きしめるように、莉央ちゃんが頭を、撫でて。




「…………莉央ちゃんごめん。ごめんなさい。嫌いにならないで。
もうしない。莉央ちゃんの嫌がることしないから」


あったかい莉央の身体を、抱きしめた。
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