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メンヘラヤンデレ彼氏からの溺愛調教

第10章 監禁





「—————…おいし」


一口食べただけでわかる。
すごい優しい味。


「まじ!?やった」
「うん、すっごく美味しい。甘すぎないし、焼きリンゴのってるの?シナモン効いてて、美味しい。」


きっとすごくいい子なんだろうな。
誰にも悪意を向けたことも、向けられたこともない。
あたしの目の前に座って。
楽しそうに語る彼を優しく見守ってるのは、きっとお父さんかな。
カウンターからコーヒーのいい香りがする。


いいな。


あたしが『欲しかったもの』『欲しかった世界』。




「あ、ごめん俺、自分のことばっか…………」
「ううん違うの。仕事中、あたしになんて構ってていいのかなって」
「雨だからね、足も遠のくのよ」


確かに。
お客さん、チラホラとしかいないけど。


「あ、俺邪魔?彼氏さんと待ち合わせ?」
「…………大丈夫。仕事なの、今日」



「…………橘花さんてさ」
「ん?」
「時々そうやって悲しそうな顔、するよね」
「ぇ」
「つらそうに、笑うよね」
「…………」
「見てて苦しいよ」



「…………か、なしくないし、別に辛くないよ」



「寂しいなら寂しいって、ちゃんと彼氏さんに言えばいいのに」


「ぇ」




寂しい…………って。



「いや、別にあんなのいてもウザいだけだし」


って。
あたし何ムキになって…………。





「莉央」




「え…………」




頭上から降ってきた聞き慣れた声に顔をあげれば。
それが柳瀬だって認識するより前に腕が引かれて。
バックまでもが柳瀬の手の中。
カウンターへと一万円を置いて。
雨の中柳瀬が、乱暴にドアを開けた。
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