第9章 誕生日

は…………っ。
はぁ。


「…………」


何。
今。
あたし。

「！？」

嘘。
「だ、やなせ…………っ、もうそれ、や！！」
「大丈夫。気持ち良くなるだけだってば」
「やなせ…っ」


力なく脱力した身体を柳瀬が首の後ろに右腕差し込んで頭を支え、所謂腕枕の状態となる。
そのまま右手が右耳へと伸びて、左手が、また、胸へと伸びた。
力の抜けた身体を起こして逃げようとするけど、すぐに柳瀬の唇に口を塞がれて。
柳瀬の左足が、あたしの左足を絡めとる。


「ふ…っ、んむ、ぁ、んんぅ」


舌が、舐められて。
噛まれて。
胸の先っぽが、さっきみたいにカリカリと刺激される。
耳の中は指先に責め立てられて。
どこにも逃げ道なんてなくて。


「…………莉央ちゃんなか、痙攣してんね。またイく？」


「ふ、ぅう、…………っ、く、ん゛ん゛っ！！」
「すっごい締まる。このまま何回イける？」
「やめ…………っ、やなせやだ！！いっか、ゆびぬいて、ぬいてぇ！！やだやだやだっ」



抜かれた腕枕。
右手は今度は左耳へと標的を変え、胸の先っぽを虐めていた左手は、なかの浅いところを掻き回す。
舌を吸うだけ吸って唾液ごと吸い上げた唇は、今は左の胸へと吸い付いて。
柳瀬の左足に導かれるまま閉じられない足は、さらに柳瀬によって開かされた。


「ひぐ…っ、あああ！！」


「3回目」
「やだ。ほんとむりなのっ、もうイけないっ！もう気持ちいいのいらないっ」
「じゃぁ胸だけであと５回イったらやめようか」
「な…………っ」



楽しそうに。
嬉しそうにウキウキに目を細める柳瀬に。
ほんとにほんとに、血の気が下がる音が聞こえた。