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メンヘラヤンデレ彼氏からの溺愛調教

第9章 誕生日




ほんとはさ。
個室とか。
もっと豪華に、とかさ。
全然今ならお金あるし出来ちゃうんだけど。
でも莉央ちゃんが言う『映画館』じゃなくなっちゃうから。
今日は映画を楽しむ目的だから。


「何これ。ふたり掛けになってる。足伸ばせるの?これ。映画館すごいね」


たまたま空いてたペアシート、取れてよかった。
あの席、肘当て邪魔なんだよな。
できればくっついて見たいじゃん?
やっぱ。


「ありがとう柳瀬。ずっとね、来てみたかったの」
「言ってくれればいつでも付き合ったのに」
「あー…………、あの頃はたぶん1番柳瀬とは来なかったと思う」
「すっごい警戒してたもんね」
「だって柳瀬怖かったもん。あたしを見る目とか」
「まぁそりゃ、狙ってましたから」
「捕食者の目、確かにそれだ」
「…………今は?」
「…………今もあんま変わんない」
「怖い?」
「くは、ない。…………あたしに欲情してる目、好き、だし」


んん。
襲っていい?
お誘いなの?
ねぇそれお誘いだよね?


「見事にハマったよね」
「莉央ちゃんほんと好き」
「くっつきすぎ」
「くっついていいシートなんですー」
「んん、ジュース溢れますー」


ああ好き。
普通の日常が穏やかすぎて好き。
ほんっともう。
幸せすぎて幸せすぎて。
「…………」
害虫がほんっと目立つ。
邪魔。
「…………莉央ちゃん、ごめんちょっとトイレ行ってくんね」
「え、始まるくない?」
「うん、すぐ戻る」
莉央ちゃんとの時間邪魔するとかまじ殺す。
泣かす。
腹立つ。
莉央ちゃんとのペアシートから立った瞬間同じく立ち上がった輩がふたり。
殺気隠せてねーんだよなぁ。
ど素人がでしゃばんなよ。
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