第9章 誕生日
「〜〜〜〜触るだけ、って、言ったぁ」
「ごめんほんとごめん。で、でも挿入れてない、し、ね?」
ああ。
やめてそのじと目。
莉央ちゃんは怒りを表現しまくってのその睨みなんだろうけど。
全然逆効果だから。
睨みきれてないから莉央ちゃん。
さっきの余韻残る中での睨みって。
普通に勃つわ。
気を紛らわして。
枕に顔を埋める莉央ちゃんをうちわで扇ぎ倒した。
結局。
触るだけなんて無理だった、なんてのはきっと莉央ちゃんも想定内なわけで。
じゃなきゃ誘わないだろって話で。
そんな中、素股…………もとい、擬似挿入で済ました俺偉い。
つーかほんとさぁ。
莉央ちゃんどんどん敏感になっててエロすぎ問題。
後ろから擦っただけで、まぁ、前も触りましたけども。あんなぬるぬるになっちゃって。
まさかほんと。
あれでイくとは思ってなかった…………。
〜〜〜〜尊っ!!
「…………いつまでタバコ吸ってんの、てかあっつ!!よくこんな中外いれんね。自分家なんだから家の中で吸えばいいのに」
「…………莉央ちゃん、いるし、いやかなっ、て」
「柳瀬のタバコ吸ってんの、あたし好きだもん」
「っ」
何。
何何何何っ!?
後ろから抱きつくとか。
莉央ちゃんどーした?
暑いとか、言ってなかった。
「全然帰ってこないし」
「…………ちょ、と、冷静に、なろうかな、って」
いや心臓っ。
働きすぎだろこれ。
冷静とかどーやんの。
「…………ご、めん、寂しかった?」
なんつって。
今絶対わざとらし…………。
「…………うん」
え。
いや。
え。
まじか。
まじかこれ。
いや我慢。
振り向いたら負け。
振り向いたら絶対だめなやつ。
振り向いたら襲う。
莉央ちゃん見たら絶対我慢出来ない。
「柳瀬」
「はい」
「…………柳瀬の好きなこと、する?」
「っ」
無理。
無理無理無理無理っ。
「莉央ちゃんっ」
ぐるん、て、莉央ちゃんを引き剥がして。
莉央ちゃん見ないように俯いた。
「今日は莉央ちゃんの誕生日でもあるから莉央ちゃんの好きなこと、俺もしたい」