第8章 幸せ
「や、っぁあ、ぁ、っああああああ!!おく…………っ、奥!!」
「ん、奥?」
「ち、が、…………っぁああっ、それもぉおわりっ!!」
後ろから。
柳瀬の両手が腰を掴む。
から。
逃げられなくて、顔を枕へと押し付ければ。
勝手にお尻を突き出すみたいな格好になって。
羞恥で涙が滲む。
「莉央ちゃん、何勝手に枕となんて仲良くしてんの。俺の口こっち」
「ふぐ…………っ、ん、んぅんんっ」
ぐいって。
身体が起こされて。
さらに身体が密着する。
今。
絶対駄目なとこ刺さった。
奥。
奥やばい。
頬を指先でまた、掴まれて。
唇が重なった。
その後すぐに。
柳瀬の指先は頬を離れて耳の中を弄る。
柳瀬の腕で顔は固定されたまま顔も体も動かせなくて。
奥を突き上げる速度が上がれば。
ゾクゾクしたものが、湧き上がってくる。
頭がドロドロする。
「ふぅんんん〜〜〜〜っっ、んん、んぅ!!」
柳瀬の腕を叩いて限界を伝えるけど。
全然キスも耳をいじめるのもやめてくれなくて。
ぶわっっ、て。
何かが、溢れる。
涙が止まらない。
「…………莉央ちゃん、なか、うねうねしてる。イきそう?」
嬉しそうに笑う柳瀬の言葉をぼーっとしたままに、聞いて。
柳瀬の、顔。
よく見えない。
「…………かお、みえないのやだ」
振り向いて柳瀬の頬へと手を伸ばす。
「〜〜〜〜ああもおっ、かわいいッッ」
今度は正面から、思い切り腰を打ちつけられて。
目がぐるん、て。
上転するの、わかる。
ああこれ、意識やばいかも。
「…………莉央ちゃんっ!!」
柳瀬に呼ばれてびくん、て、覚醒すれば。
「…………ぁ、っ、ぁああっ!?」
身体全部、ゾワゾワしてる。
「やだ、もぉ…………っ、やなせやなせっ、もぉむり、だめだめだめっ、おかしくなるっ、しきゅ…………っ、くるし」
「莉央ちゃんっ」
「…………みやび、だめっ」
「っ」
「みやびっ、みやびすきぃ、すきっっ、すき…………っ」
く、て。
唇が塞がれて。
柳瀬の動きが、止まった。