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【保科宗四郎】副隊長は思ったより私のことが好きらしい【怪8】

第5章 ♡心も体も恋に堕ちて


 別にいい子な宗四郎くんが好きなわけじゃいのに。って思ったけれど、意を決したようにベッドサイドチェストからスキンを取り出した彼は、私のことをちゃんと考えてくれているいい子でしかない。慣れた様子で自身に取り付けた宗四郎くんは「嫌やったら言うて」「痛くても言うてな」「僕、がんばるから」と私にお伺いを立てるように矢継ぎ早に言葉を紡ぐもんだから、思わず苦笑い。随分と愛されているんだな、と実感せざるを得ないほどの愛情だ。
 
「もうちょい慣らしてから入れるわ」
「ん、わかった」
「せめて指三本は入れやんと……」

 私が痛くならないように、宗四郎くんは自分の指を咥えて唾液で濡らす。彼の口から離れた指は薄明るい光に反射してテラテラといやらしく濡れそぼっていた。……ずっと思ってはいたけど私の恋人、本当にいやらしすぎない? 何かのフェロモン撒き散らしているし、セクシーのステータスがカンストしている気がする。
 くぷ、と先ほど寄り少しだけ乾いてしまった私の中へと宗四郎くんの指が入り込んできた。奥を暴くように侵入してくる指は何かを探すように肉壁を擦るように動いている。
 空いている左手は私の右手をぎゅっと握りしめ、空いている口でちゅっと私の唇を可愛がってくれている。薄く開いた瞳を見つめ返すと、なだらかに弧を描いた彼は「好き」といやに熱っぽい掠れた声で私の鼓膜を揺らした。

「私も、ん……好き」
「僕が? それともキスが?」
「……意地悪」
「ふは、ごめんごめん」
「……宗四郎くんが好きだし、宗四郎くんとするキスが好きなの」
「あんま煽らんとって……僕、余裕あらへんのやから」

 困ったように拗ねた宗四郎くんに笑い声が溢れた同時、私の肩がぴくんと小さく跳ねる。今のは……と、何が起こったのかわからない私とは対称的にニヤリと笑みを深めた彼は「みーっけた」と楽しそうな声をあげた。そして私は悟りました、これはあまりよくない展開なんだと。
 私が声を上げるよりも早く、ぐっと何かを押し込むように指を動かした彼の動きに合わせてもう一度私の肩が跳ねる。
 は……と息を飲む私に擦り寄った宗四郎くんは、鼻と鼻がくっつきそうなほどの距離で、吐息とも溜め息ともとれるような息を吐いて「よういじめてくれたな」と挑戦的な瞳で呟いた。
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